夜の帳
「夜の帳が下りる」などのように使う「夜の帳」という言葉。
「夜の帳」は、「よるのとばり」と読みます。
「夜の帳」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「夜の帳」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
夜の帳の意味
「夜の帳」には次の意味があります。
・夜の闇を、帳にたとえていう語。(出典:デジタル大辞泉)
簡単にいうと、闇、真っ暗、光が届かない、といった意味です。
「帳」とは、物をおおいかくすもの、さえぎって見えないようにするもののことで、光を遮るように帳を下して暗くすることに例えた言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・ローマ平野を三里ほど行くか行かぬかのうちに夜のとばりが降り始めた。
(出典:アレクサンドル・デュマ/泉田武二訳『モンテ・クリスト伯』)
・時刻はまだ夕方だけど、空はすっかり夜のとばりが下りきっていた。
(出典:久弥直樹『SEVEN PIECE』)
・またいつのまにか夜のとばりに覆おおわれて、雨は相変らず降っていました。
(出典:島尾敏雄『出発は遂に訪れず』)
・日はめっきり短くなり、あっという間にあたりは夜のとばりに包まれた。
(出典:グィン『ゲド戦記1 影との戦い』)
・雲が晴れてもそこに明るさはなく、もうとっくに夜のとばりがおりていた。
(出典:高殿円『銃姫 2 The Lead in My Heart』)
・京蔵人のいう通り、それは海に落ちた夜のとばりのゆえであろう。
(出典:山田風太郎『銀河忍法帖』)
・かがり火が夢のように燃え、森も岩も清水も暗い夜のとばりに隠れていた。
(出典:荒俣宏『帝都物語6』)
・ようやく解放され、警察を引き揚げたのは、街が夜のとばりに包まれる頃だった。
(出典:内田康夫『贄門島(にえもんじま)上』)