執行猶予
「執行猶予期間」などのように使う「執行猶予」という言葉。
「執行猶予」は、音読みで「しっこうゆうよ」と読みます。
「執行猶予」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「執行猶予」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
執行猶予の意味
「執行猶予」には次の意味があります。
・有罪の判決を受けた者について、情状によって刑の執行を一定期間猶予し、問題なくその期間を経過すれば刑を科さないこととする制度。(出典:デジタル大辞泉)
「執行猶予」をわかりやすく言えば、有罪判決を受けても、すぐに刑務所に入れられるのではなく、一定期間様子をみて、その間、法律を犯さなければ刑務所に入らなくてもよくなる制度、という意味です。
また、単純に刑の執行を猶予する場合や、比喩的に、刑罰以外のものごとについても猶予期間が設けられる場合などに「執行猶予」といいます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・二年の執行猶予期間は明けたが、とりあえずなにもすることがなかった。
(出典:森村誠一『黒い墜落機(ファントム)』)
・今の時期はそうなる前の、人生上の執行猶予期間のようなものなのだ。
(出典:清水義範『家族の時代』)
・死刑の執行猶予を要求することは、民衆にうったえることにはならない。(出典:ユゴー/榊原晃三訳『九十三年』)
・コーラの六ヵ月の執行猶予のあいだは、ここを出ていくことはできない。
(出典:ケイン/田中小実昌訳『郵便配達はいつも二度ベルを鳴らす』)
・死刑を宣告されたが、処刑場に引っ立てられる間際に執行猶予になった。
(出典:ヴィドック/三宅一郎訳『ヴィドック回想録(2)』)
類語
・見送る(みおくる)
意味:今、事を行うのは不利と考えて、そのままにしておく。(出典:デジタル大辞泉)
・延期(えんき)
意味:期日や期限を延ばすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・遷延(せんえん)
意味:のびのびになること。また、のびのびにすること。(出典:デジタル大辞泉)
・延伸(えんしん)
意味:時間や距離などをのばすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・持ち越す(もちこす)
意味:そのままの状態で次の段階や時期に送る。(出典:大辞林 第三版)