執行
「職務を執行する」などのように使う「執行」という言葉。
「執行」は、音読みで「しっこう」と読みます。
「執行」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「執行」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
執行の意味
「執行」には次の二つの意味があります。
1 とり行なうこと。実際に行なうこと。
2 法令、裁判、行政処分などの内容を実行、実現すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
執行の意味①「 とり行なうこと。実際に行なうこと。 」
執行の一つ目の意味は「 とり行なうこと。実際に行なうこと。 」です。
「しゅぎょう」と読むと、主に仏教で仏事を執り行うことや、托鉢して諸国巡礼することなどを意味します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・すなわち異教的な祭祀の大部分はこのようにして執行されたのである。
(出典:サド/澁澤龍彦訳『閨房哲学』)
・私は内部的には業務執行を担当し、外部的には会社を代表する。
(出典:森村誠一『大都会』)
・だが今は一同が、儀式の宗礼執行に専念しているところに相違ない。
(出典:佐藤正彰訳『千一夜物語』)
・その憂慮が意思として汲み取られ、結果として執行されただけのこと。
(出典:竜騎士07『ひぐらしのなく頃に 5 目明し編』)
類語
・実行(じっこう)
意味:計画や理論などを実際に行なうこと。実地に行動すること。実施に移すこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・推進(すいしん)
意味:物事が目的の状態に向かってはかどるように努めること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・履行(りこう)
意味:言ったこと、きめたことを実際に行なうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・遂行(すいこう)
意味:任務や仕事をやりとげること。(出典:デジタル大辞泉について)
執行の意味②「 法令、裁判、行政処分などの内容を実行、実現すること。 」
「執行」の二つ目の意味は「 法令、裁判、行政処分などの内容を実行、実現すること。 」です。
「執行猶予」で「刑罰などが実行されるまでの日時を伸ばすこと」を意味します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・わたしは、死刑を執行される一歩手前の夢をみたという人の話をきいたことがある。
(出典:アラン/宗左近訳『幸福について(上))
・議会が法を制定し、大統領が法を執行し、裁判所が法を解釈する。
(出典:阿川尚之『アメリカが嫌いですか』)
・この手段を発見しないかぎり、我々は彼に対して逮捕状を執行できないのです。
(出典:森村誠一『高層の死角』)
・それはつまり体刑執行人の役割だった、と言っても過言ではなかったろう。
(出典:アレクサンドル・デュマ/横塚光雄訳『黒いチューリップ』)
類語
・履行(りこう)
意味:債務者が債務の内容である給付を実現すること。(出典:デジタル大辞泉)
・処分(しょぶん)
意味:規則・規約などを破った者に罰を加えること。(出典:デジタル大辞泉)
・施行(しこう)
意味:公布された法令の効力を現実に発生させること。(出典:精選版 日本国語大辞典)