執拗
「執拗に責め立てる」などのように使う「執拗」という言葉。
「執拗」は、音読みで「しつよう」と読みます。
「執拗」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「執拗」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
執拗の意味
「執拗」には次の二つの意味があります。
1 しつこいさま。
2 自分の意見にいつまでもこだわりつづけるさま。えこじ。がんこ。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
執拗の意味①「しつこいさま。」
「執拗」の一つ目の意味は「しつこいさま。」です。
「言動がしつこいさま」を意味します。
ネガティブな意味合いで使う言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼女がやったのは手袋で窓の染みを執拗に擦ることだけだった。
(出典:ウルフ/西崎憲編訳『ヴァージニア・ウルフ短篇集』)
・ その執拗さに呆れ果てた母親が、とうとう昭三の所に電話をかけてきた。
(出典:吉田修一『最後の息子』)
・厚い雲に覆われた天候も執拗に続いた。
(出典:A・バートラム・チャンドラー『銀河辺境シリーズ(全25巻) 20 外伝5/辺境星域の神々』)
・御食子が重い腰を上げたのは、数日も執拗に鎌足に説得されたからである。
(出典:黒岩重吾『落日の王子 蘇我入鹿(上)』)
類語
・ねちねち
意味: 性質や話しぶりがしつこいさま。くどくてさっぱりしないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・執念深い(しゅうねんぶかい)
意味:執念の度が強い。しつこく思い込んで、あきらめが悪い。(出典:デジタル大辞泉)
・くどい
意味:同じようなことを繰り返して言ったり長々と続けたりして、うんざりさせる。しつこくて、うるさい。(出典:デジタル大辞泉)
・しつこい
意味: 物事にこだわって煩わしい感じである。また、つきまとってうるさい。執念深い。(出典:デジタル大辞泉)
執拗の意味②「自分の意見にいつまでもこだわりつづけるさま。えこじ。がんこ。」
「執拗」の二つ目の意味は「自分の意見にいつまでもこだわりつづけるさま。えこじ。がんこ。」です。
この場合の「執拗」は他の人の意見を聞き入れず、頑なに自分の意見にこだわる様子を指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・一日も早く解決しなければいけない、と彼は執拗に同じ考えをくり返した。
(出典:豊島与志雄『子を奪う』)
・どうして女の子ってのは乙姫とかそういうのを執拗にやりたがるのだろうか?
(出典:阿智太郎『僕の血を吸わないで2』)
・ 見られたくなかったから、女は執拗に闇にこだわったのかもしれないと。
(出典:鈴木光司『らせん』)
・妻はどうしても女と別れることを彼に断言さすまでは執拗に我がを張った。
(出典:志賀直哉『城の崎にて・小僧の神様』)
類語
・意固地(いこじ)
意味:かたくなに意地を張ること。また、そのさま。片意地。えこじ。(出典:デジタル大辞泉)
・頑な(かたくな)
意味:意地を張って自分の主張や態度を変えないさま。頑固。(出典:デジタル大辞泉)
・強情(ごうじょう)
意味:意地を張って、なかなか自分の考えを変えないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・頑固(がんこ)
意味:かたくなで、なかなか自分の態度や考えを改めようとしないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)