回向
「冥福を祈って回向する」などのように使う「回向」という言葉。
「回向」は、音読みで「えこう」と読みます。
「回向」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「回向」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
回向の意味
「回向」には次の意味があります。
・死者の成仏を願って仏事供養をすること。(出典:デジタル大辞泉)
「回向」をわかりやすく言うと「亡くなった方のご冥福を祈り供養すること」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ママさんは先生の代わりになって、文代さんの回向をしていられたんです。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 横溝正史 「死神の矢」』)
・頼政の霊は僧の回向を感謝しながら消えてゆく。
(出典:内田康夫『天河伝説殺人事件(上)』)
・毎日洪願寺へまいり、夜は回向しては寝ます。
(出典:鈴木行三『菊模様皿山奇談』)
・そなたの子供に回向をして進ぜようが、名まえはなんといったのじゃな?
(出典:中山省三郎『カラマゾフの兄弟』)
・僕の文章は中道に倒れた先達の為にも多少の回向にはなる筈である。
(出典:芥川竜之介『大久保湖州』)
類語
・供養(くよう)
意味:死者の冥福を祈って法会を営むこと。(出典:デジタル大辞泉)
・法要(ほうよう)
意味:仏や、先祖の霊を供養すること(出典:葬儀辞典)
・彼岸会(ひがんえ)
意味:彼岸の7日間行われる仏教の法会。(出典:百科事典マイペディア)
・追弔(ついちょう)
意味:死者の生前をしのんでとむらうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)