嘲る
「嘲るような表情」などのように使う「嘲る」という言葉。
「嘲る」は、訓読みで「あざける」と読みます。
「嘲る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「嘲る」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
嘲るの意味
「嘲る」には次の意味があります。
・ばかにして悪く言ったり笑ったりする。(出典:デジタル大辞泉)
「嘲る」はもともと「風月に心ひかれて声を上げて詩歌を吟じる」という風流で良い意味の言葉ですが、現在では上記のように悪い意味で使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・こう思うと同時に、おれの背後で嘲りを帯びた笑声がしたように聞えた。
(出典:森鴎外訳『諸国物語(上)』)
・声そのものは違っているが、嘲るようなその調子には聞き覚えがあった。
(出典:三上延『シャドウテイカー4 リグル・リグル』)
・何故このことにもっと早く気がつかなかったか、間抜けめと自ら嘲った。
(出典:織田作之助『青春の逆説』)
・大人になってからは、女の眼に光る嘲りが恐くて恋もできませんでした。
(出典:ロスタン/岩瀬孝訳『シラノ・ド・ベルジュラック』)
・嘲りと非難が 私を突き刺し 立たせようとしたが わたしの中には 何の反応もなかった。
(出典:タゴール・ラビンドラナート『ギタンジャリ』)
類語
・蔑む(さげすむ)
意味:他人を、自分より能力・人格の劣るもの、価値の低いものとみなす。(出典:デジタル大辞泉)
・嘲弄する(ちょうろうする)
意味:あざけり、からかうこと。(出典:デジタル大辞泉)
・見縊(みくびる)
意味:軽く見てあなどる。ばかにする。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・せせら笑う(せせらわらう)
意味:ばかにして笑う。あざけり笑う。(出典:デジタル大辞泉)
・忌避する(きひする)
意味:きらって避けること。(出典:デジタル大辞泉)