嗚咽
「嗚咽する声が聞こえる」などのように使う「嗚咽」という言葉。
「嗚咽」は、音読みで「おえつ」と読みます。
「嗚咽」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「嗚咽」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
嗚咽の意味
「嗚咽」には次の意味があります。
・声をつまらせて泣くこと。むせび泣き。(出典:デジタル大辞林)
「嗚咽」は、泣いている様子を表す言葉であり、「おえっとえずくこと」ではありません。
「嗚咽」は、声を押し殺して泣くことを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・さっきからおさえていた嗚咽が、ここにおいてついに爆発したのである。
(出典:横溝正史『貸しボート十三号』)
・私たちの席についていた女の子が、気がつくと嗚咽をもらして泣いていた。
(出典:梶尾真治『精霊探偵』)
・夕暮れの甲板で、嗚咽をこらえていた少年の声が、まだ耳に残っている。
(出典:上橋菜穂子『守り人シリーズ07 蒼路の旅人』)
・けれども、ドアをあけたとたんに、嗚咽してゐる葉藏を見てしまつた。
(出典:太宰治『道化の華』)
・最後のほうは嗚咽がこみあげ、言葉にならなかった。
(出典:平岩弓枝『旅路(中)』)
類語
・咽び泣く(むせびなく)
意味:のどをつまらせるようにして泣く。声を殺して泣く。また、楽器や風の音などが、そのような音を立てる。(出典:大辞林 第三版)
・歔欷(きょき)
意味:すすり泣くこと。むせび泣き。(出典:デジタル大辞泉)
・さめざめと泣く(さめざめとなく)
意味:しきりに涙を流して静かに泣くさま。(出典:デジタル大辞泉)
・忍び泣く(しのびなく)
意味:人に知れないように声を殺して泣く。(出典:大辞林 第三版)
・噦り上げる(しゃくりあげる)
意味:声や息を何度も激しく吸い上げるようにして泣く。(出典:デジタル大辞泉)