喧嘩両成敗
「喧嘩両成敗である」などのように使う「喧嘩両成敗」という言葉。
「喧嘩両成敗」は、音読みで「けんかりょうせいばい」と読みます。
「喧嘩両成敗」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「喧嘩両成敗」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
喧嘩両成敗の意味
「喧嘩両成敗」には次の意味があります。
・けんかや争いをした者を、理非を問わないで双方とも処罰すること。戦国時代の分国法にみられ、江戸時代にも慣習法として残っていた。(出典:デジタル大辞泉)
「喧嘩両成敗」をわかりやすく言えば、「喧嘩した者はどちらにも非がある」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・喧嘩をしたら、その理由が何であれ、どちらも同罪であり、双方に同じ罰を与えるというのが、この喧嘩両成敗である。(出典:夢枕獏『大江戸釣客伝(下)』)
・吉良が手向いしなかったから、これは喧嘩ではない、喧嘩両成敗は当らぬ理屈である。(出典:池宮彰一郎『四十七人の刺客(下)』)
・セサルと敵ディフェンダーにレッドカードが掲げられた。喧嘩両成敗はいいが、どんどんフィールドから人数が減っていくではないか。(出典:野沢尚『龍時(リュウジ)1─2』)
・おあいこと言うより、やっぱり喧嘩両成敗っぽい。僕は嘆息し、羽川をちらりと見た。(出典:西尾維新『物語シリーズ 15 終物語(上)』)
・海軍部内の亀裂が深まったが、東郷平八郎らの長老が乗りだし、加藤、末次、財部の三人が喧嘩両成敗で辞任することで、表面上は落着した。(出典:保阪正康『東條英機と天皇の時代(上) 軍内抗争から開戦前夜まで』)
類語
・何方もどっち(どっちもどっち)
意味:両方ともに同じくらい悪いこと。どちらか一方が悪いと決めつけにくいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・痛み分け(いたみわけ)
意味:けんかや議論などで双方ともかなりの痛手をこうむったまま結着をつけないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・引き分け(ひきわけ)
意味: 勝負事で、決着がつかず、双方勝ち負けなしとして終えること。(出典:デジタル大辞泉)
・五分五分(ごぶごぶ)
意味: 互いに優劣や可否のないこと。半分半分であること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ)
意味:少しの違いはあっても、本質的には同じであるということ。似たり寄ったり。(出典:デジタル大辞泉)