啓蟄
「啓蟄の候」などのように使う「啓蟄」という言葉。
「啓蟄」は、音読みで「けいちつ」と読みます。
「啓蟄」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「啓蟄」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
啓蟄の意味
「啓蟄」には次の意味があります。
・二十四節気の一。冬ごもりの虫が地中からはい出るころ。太陽暦で3月6日ごろ。(出典:デジタル大辞泉)
太陽の黄経が345度に達するときを「啓蟄」といい、現代の暦では3月6日ごろのことをいいます。
「啓蟄」は春の季語です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・啓蟄は太陽暦の三月六日ごろだそうだが、まったくそのとおりだ。
(出典:宮脇俊三『汽車旅12カ月』)
・江戸は、やがて、地面から虫の這い出して来るという、啓蟄の日を迎える。
(出典:平岩弓枝『御宿かわせみ 19 かくれんぼ』)
・ 啓蟄とは、冬眠していた生類が穴を出てくる日という意で、今の暦ではおよそ三月六日ごろに当てられる。
(出典:大岡信『名句歌ごよみ[春]』)
・啓蟄の候というが、わが家の虫は汗ばむ季節になるとうごめくらしい。
(出典:岸本葉子『家にいるのが何より好き』)
・だが、今や憧れの日光と外気を満喫できる季節がめぐり来たので、啓蟄の虫たちのように寝ぐらから這い出てきたのだった。
(出典:藤原作弥『聖母病院の友人たち ―肝炎患者の学んだこと―』)
類語
・雨水(うすい)
意味:太陽の黄経330度のときにあたる。現行の太陽暦では2月18、9日頃。(出典:大辞林 第三版)
・清明(せいめい)
意味: 太陽が黄経15度に達した時をいい、現行の太陽暦で4月5日頃にあたる。 (出典:大辞林 第三版)
・立春(りっしゅん)
意味:太陽の視黄経が315度に達するときで、現行暦の2月4日ごろにあたる。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・穀雨(こくう)
意味:太陽の黄経が30度に達した時をいい、現行の太陽暦で4月20日頃。(出典:大辞林 第三版)
・春分(しゅんぶん)
意味:春の彼岸の中日で、現行の太陽暦で3月21日頃。(出典:大辞林 第三版)