商い
「商いを始める」などのように使う「商い」という言葉。
「商い」は、訓読みで「あきない」と読みます。
「商い」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「商い」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
商いの意味
「商い」には次の二つの意味があります。
1 売り買いすること。商売。
2 売り上げ。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
商いの意味①「売り買いすること。商売。」
「商い」の一つ目の意味は「売り買いすること。商売。」です。
「商い」は、「商売」よりも古めかしい言い方となります。
また、「商う」という形で動詞として使用することもできます。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・連れの商いを見ていてわかったのだが、人は信用というものをよく使う。
(出典:支倉凍砂『狼と香辛料XIII Side ColorsIII』)
・商いが複雑になり、そうしなければ伸びて行けない時勢だったのである。
(出典:半村良『セルーナの女神』)
・当然商いにも隙が出来て、近ごろは店の客が少し減って来た気さえする。
(出典:藤沢周平『よろずや平四郎活人剣(上)』)
・ところが物の商いというものは、古くから座によって支配されていた。
(出典:安部龍太郎『戦国秘譚 神々に告ぐ(下)』)
・だがいつの頃からか米商人になって、大名相手の手広い商いをしていた。
(出典:安部龍太郎『戦国秘譚 神々に告ぐ(下)』)
商いの意味②「売り上げ。」
「商い」の二つ目の意味は「売り上げ。」です。
「商い」は、商売そのものだけでなく、商売で得た売り上げを意味する言葉でもあります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・札差としては小所帯の米屋だが、それでも大切米では三千両近い商いになった。
(出典:山本一力『損料屋喜八郎始末控え』)
・それだからと言って商いが少ないと言うわけではない。
(出典:岡本かの子『とと屋禅譚』)
・機巧堂の月の商いはおそらく五、六百両には達していただろう。
(出典:高橋克彦『火城』)
・総額わずか十八銭、そのうち現金による商いは一銭七厘でしかなかった。
(出典:紀田順一郎『東京の下層社会』)
・その点、街の電器屋さんはいくら商いが増えても地道な商売をしてますがな。
(出典:佐藤正明『陽はまた昇る 映像メディアの世紀』)