否めない
「経験不足であることは否めない」などのように使う「否めない」という言葉。
「否めない」は、訓読みで「いなめない」と読みます。
「否めない」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「否めない」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
否めないの意味
「否めない」には次の意味があります。
・断ることができない。否定できない。(出典:デジタル大辞泉に)
わかりやすく言えば、「~と認めるしかない」という意味です。
「否めない」は可能動詞の「否む」と、未然形+打消しの「ない」が連なった連語になっています。
はっきりと断言が出来ないが、否定をしないといけない場で使われています。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この三日間、自分の心が動物達よりも深雪に向いていたことは否めない。
(出典:新堂冬樹『忘れ雪』よ)
・だから、不意に敬礼されたぼくが一瞬奇妙な気分になったのは否めない。
(出典:眉村卓『不定期エスパー7』)
・あの頃、誰も彼もが程度の差こそあれ栄養失調であったことは否めない。
(出典:阿久悠『続・瀬戸内少年野球団紅顔期』)
・しかし休眠しているとはいえ、少しずつ消耗していくのは否めなかった。
(出典:池上永一『レキオス』)
・ジャンヌ・ドゥ・フランスが神聖な妻の座を失ったことは否めないのだ。
(出典:佐藤賢一『王妃の離婚』)
類語
・既知(きち)
意味:すでに知られていること。すでに知っていること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・瞭然(りょうぜん)
意味:はっきりしていて疑いのないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・強ち(あながち)
意味:断定しきれない気持ちを表す。(出典:デジタル大辞泉)
・違いない(ちがいない)
意味:応答の言葉として、肯定の返事を表す。そのとおりだ。(出典:デジタル大辞泉)
・必ずしも(かならずしも)
意味:必ず…というわけではない、…とは限らない、という気持ちを表す。(出典:デジタル大辞泉)