各々
「各々優れている」などのように使う「各々」という言葉。
「各々」は、訓読みで「おのおの」と読みます。
「各々」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「各々」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
各々の意味
「各々」には次の二つの意味があります。
1多くのもののそれぞれ。
2二人称の人代名詞。皆さん。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
各々の意味①「多くのもののそれぞれ。」
「各々」の一つ目の意味は「多くのもののそれぞれ。」です。
各々は「各」だけでも”おのおの”と呼びます。
主に複数のものを指すときに各々が使われます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・各々の切断面に残る数条の深い溝を、おれの眼だけは見ることができた。
(出典:菊地秀行『トレジャー ハンター08 エイリアン邪海伝』)
・二つの組織は各々の思惑に従って、それぞれ勝手に事件を起こしていた。
(出典:鎌池和馬『とある魔術の禁書目録 第15巻』)
・彼らは僕と少しの時間を共有した後、各々の道を今も歩き続けている。
(出典:稲泉連『僕らが働く理由 働かない理由 働けない理由』)
・各々の胸の中に、一瞬に満ちて来て過ぎ去るものの気配を感じている。
(出典:竹内好『近代の超克』)
類語
・別個(べっこ)
意味: 別のものであること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・それぞれ
意味:それぞれ、両方とも。(出典:実用日本語表現辞典)
・てんでに
意味:めいめいに。それぞれに。各自。(出典:デジタル大辞泉)
・別別(べつべつ)
意味:それぞれ違っていること。(出典:デジタル大辞泉)
各々の意味②「二人称の人代名詞。皆さん。」
「各々」の二つ目の意味は「二人称の人代名詞。皆さん。」です。
学校や会社で複数の人を呼ぶとき、夫婦や家族を指すときにも各々は使われています。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・二人が各々にいくつかの独楽を試してみて具合のよいのを一つずつ求めた。
(出典:平岩弓枝『御宿かわせみ 30 鬼女の花摘み』)
・バンドマンが二人、ステージに腰をおろして各々の楽器を調整していた。
(出典:シムノン 矢野浩三郎『モンマルトルのメグレ』)
・谷村夫妻はたぶん各々の恋をすることになるだろうと私は考えていた。
(出典:坂口安吾『戯作者文学論』)
・二人は二人の間の雰囲気を同程度の力を分けて各々保つてゐるのである。
(出典:牧野信一『公園へ行く道』)
類語
・面々(めんめん)
意味: それぞれ。各人それぞれ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・個個(ここ)
意味:いくつかあるうちの一つ一つ。(出典:デジタル大辞泉)
・各自(かくじ)
意味:それぞれの人(出典:デジタル大辞泉)
・何れも(いずれも)
意味:どれも。だれも。それぞれ。(出典:デジタル大辞泉)