取らぬ狸の皮算用
「取らぬ狸の皮算用をしても仕方ない」などのように使う「取らぬ狸の皮算用」という言葉。
「取らぬ狸の皮算用」は、「とらぬたぬきのかわざんよう」と読みます。
「取らぬ狸の皮算用」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「取らぬ狸の皮算用」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
取らぬ狸の皮算用の意味
「取らぬ狸の皮算用」には次の意味があります。
・手に入るかどうかわからないものを当てにして計画を立てることのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
昔は狸の毛皮が高級品として売買されていたことから、まだ捕まえてもいない狸の皮を売り、儲けた金で何を買おうかと先走って考える様子を喩えたことわざです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・いずれにしても、いまから取らぬ狸の皮算用をしても仕方があるまい。
(出典:森村誠一『山の屍』)
・もし、駄目なら、何もかも、おじゃんになるのだ。三千万も、四千万も、取らぬ狸の皮算用ということになる。
(出典:西村京太郎『失踪計画』)
・すべて捕らぬ狸の皮算用に終わってしまった。
(出典:植村直己『エベレストを越えて』)
・取らぬ狸の皮算用をするつもりはない。
(出典:西尾維新『刀語(全12巻) 刀語 6 第六話 双刀・鎚』)
・小袖を見世物小屋に売ったら大儲けだと勝手に気持ちよくなって、捕らぬ狸の皮算用でさ、いい酒を買って持ってきてくれたもんだから、気分良く飲んでいたんだ。
(出典:宮部みゆき『天狗風 霊験お初捕物控〈二〉』)
類語
・空頼み(からだのみ)
意味:頼みにならないことを頼りにすること。むなしい期待をすること。(出典:デジタル大辞泉)
・睨む(にらむ)
意味:前もって考慮に入れる。計算に入れる。(出典:デジタル大辞泉)
・机上の空論(きじょうのくうろん)
意味:頭の中だけで考え出した、実際には役に立たない理論や考え。(出典:デジタル大辞泉)
・高論(こうろん)
意味:非現実的な深遠すぎる議論をすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・夢物語(ゆめものがたり)
意味:夢のような、現実的でない話。(出典:デジタル大辞泉)