厄介
「厄介な問題」などのように使う「厄介」という言葉。
「厄介」は、音読みで「やっかい」と読みます。
「厄介」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「厄介」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
厄介の意味
「厄介」には次の二つの意味があります。
1 めんどうなこと。扱いに手数がかかり、わずらわしいこと。また、そのさま。
2 めんどうをみること。また、世話になること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
厄介の意味①「めんどうなこと。扱いに手数がかかり、わずらわしいこと。また、そのさま。」
「厄介」の一つ目の意味は「めんどうなこと。扱いに手数がかかり、わずらわしいこと。また、そのさま。」です。
解決するのに手間がかかるため、好ましくないことを言います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この上厄介なことにかかわりたくないというのが彼の本心のようだった。
(出典:松本清張『黒の様式』)
・兄や自分に、厄介ごとが降りかかって来るのではないかと思ったのだ。
(出典:赤川次郎『やさしい季節 上』)
・私は行がかり上否だとは云えませんから承諾の旨を答えました。 が腹の中では厄介な事になってしまったと思わざるを得なかったのです。
(出典:夏目漱石『私の個人主義』)
・これがなかなかに厄介で、ここで大きく時間を奪われてしまったのです。
(出典:東野圭吾『天使の耳』)
類語
・面倒(めんどう)
意味:手間がかかったり、解決が容易でなかったりして、わずらわしいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・迷惑(めいわく)
意味:人のしたことで不快になったり困ったりする・こと(さま)。(出典:大辞林 第三版)
・煩わしい(わずらわしい)
意味:心を悩ますことが多くて、気が重い。うんざりする。 (出典:大辞林 第三版)
・持て余す(もてあます)
意味:取り扱いに困る。手におえないで困る。(出典:大辞林 第三版)
厄介の意味②「めんどうをみること。また、世話になること。」
「厄介」の二つ目の意味は「めんどうをみること。また、世話になること。」です。
「厄介になる」のように使い、生活を営むため等に手間をかけてもらうことを言います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼女はドーバーに家うちを持っていた、たった一人の弟の厄介になっていた。
(出典:デフォー・ダニエル『世界怪談名作集』)
・今ないばかりじゃない、東京にいて親の厄介になってる時分からなかった。
(出典:夏目漱石『坑夫』)
・だれの厄介にもならずに僕一人で二尺の棒切れを作りあげたのだった。
(出典:海野十三『鍵から抜け出した女』)
・最後に厄介になったのは父の碁敵であった拓本職人の老人の家だった。
(出典:岡本かの子『食魔』)
類語
・居候(いそうろう)
意味:他人の家に世話になり食べさせてもらうこと。また、その人。食客。(出典:デジタル大辞泉)
・寄宿(きしゅく)
意味:他人の家に身を寄せて生活すること。(出典:大辞林 第三版)
・寄生(きせい)
意味:他の働きなどに頼り、生きていくこと。(出典:デジタル大辞泉)
・世話(せわ)
意味:気を配って面倒をみること。手数をかけて援助すること。(出典:大辞林 第三版)