十六夜
「十六夜の月」などのように使う「十六夜」という言葉。
「十六夜」は、「じゅうろくや」または熟字訓読みで「いざよい」と読みます。
「十六夜」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「十六夜」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
十六夜の意味
「十六夜」には次の意味があります。
・ 陰暦一六日の夜。特に陰暦八月一六日の夜をいう。また、その夜の月。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「十六夜(いざよい)の月」は月の出がやや遅くなるということから、ためらっている様子を表すときにも使われることがあります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・十六夜は夜闇が来るのを楽しみにしていたし、特に何も起こるはずはない。
(出典:秋田禎信『ひとつ火の粉の雪の中』)
・何がそうなのか分からない十六夜は、曖昧に微笑するのみである。
(出典:秋田禎信『ひとつ火の粉の雪の中』)
・十六夜とは今夜ではなかったか。
(出典:玉木ゆら『月にむらくも、恋嵐』)
・その夜、月は十六夜であった。
(出典:皆川博子『乱世玉響』)
・十六夜からは闕を生じるだろう。
(出典:藤沢周平『漆(うるし)の実のみのる国(下)』)
・丁度仲秋の十六夜の後一日である。
(出典:幸田露伴『蒲生氏郷』)
・十六夜の冬の月寒々と空に冴え返り見渡す限り丘も山も雪の白無垢に包まれて白一色の物凄さ。
(出典:国枝史郎『蔦葛木曽棧』)
・初夏の十六夜で、境内の地面は、霜が降りたようにあかるく、二間をへだてても、互いの顔がかなりはっきりと見分けられるくらいであった。
(出典:柴田錬三郎『江戸八百八町物語』)