冒頭
「手紙の冒頭」などのように使う「冒頭」という言葉。
「冒頭」は、音読みで「ぼうとう」と読みます。
「冒頭」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「冒頭」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
冒頭の意味
「冒頭」には次の二つの意味があります。
1 文章・談話のはじめの部分。
2 物事のはじめの部分。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
冒頭の意味①「文章・談話のはじめの部分。」
「冒頭」の一つ目の意味は「文章・談話のはじめの部分。」です。
「冒頭」は書物などの文章や、発言のはじめの所を指します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・冒頭の衝撃的な発言以外、説明者の言葉をそのままには記憶していない。
(出典:日野啓三『聖岩 Holy Rock』)
・彼がかなりせいの高い男であることはこの物語の冒頭に記したはずである。
(出典:浜尾四郎『殺人鬼』)
・飛行計画書四章冒頭から六章五十八ページまでを再編成することになる。
(出典:野尻抱介『ロケットガール(全4巻) ロケットガール 3』)
・またこの文章が書かれている書物の冒頭で、マルクスはこう述べている。
(出典:岩井克人『ヴェニスの商人の資本論』)
類語
・序文(じょぶん)
意味:書物のまえがきの文章。著述の趣旨や成立の由来などをしるしたもの。著者が自分で書いた自序と、他の人が書いたものとがある。はしがき。序。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・前書き(まえがき)
意味:本文に入る前に簡単に書き添えること。また、その文章。序文。端書き。序。(出典:デジタル大辞泉)
・跋(ばつ)
意味:書物の末尾に記す文章。あとがき。(出典:デジタル大辞泉)
・プロローグ
意味:詩歌・小説・戯曲などの文学作品で、本筋の展開に先だつ前置きの部分。序章。また、物事の始まり。発端。(出典:デジタル大辞泉)
冒頭の意味②「物事のはじめの部分。」
「冒頭」の二つ目の意味は「物事のはじめの部分。」です。
この意味では、文章や発言に限らず、様々な物事のはじめの部分という意味で広く使われます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・従って物語は、冒頭から二人の紳士の対照的描写をもって始まるのである。
(出典:ストウ/山屋三郎,大久保博訳『アンクル・トムズ・ケビン(下)』)
・さて、その上で、冒頭にもう一つ言っておきたいことがあるんです。
(出典:大澤真幸『戦後の思想空間』)
・彼が、モオツァルトについて、どんな奇妙な考えを持っていたかは、冒頭に述べた通りである。
(出典:小林秀雄『モオツァルト・無常という事』)
・もし情状証人があればその日の冒頭に入れますから。
(出典:朔立木『死亡推定時刻』)
類語
・発端(ほったん)
意味:物事の始まり。事の 起こり。(出典:デジタル大辞泉)
・滑り出し(すべりだし)
意味:物事の始め。活動の始まり。出だし。(出典:デジタル大辞泉)
・序開(じょびらき)
意味: 物事の始まり。発端。(出典:デジタル大辞泉)
・始まり(はじまり)
意味:物事の起こり。起源。(出典:デジタル大辞泉)