僻地
「僻地の住む」などのように使う「僻地」という言葉。
「僻地」は、音読みで「へきち」と読みます。
「僻地」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「僻地」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
僻地の意味
「僻地」には次の意味があります。
・へんぴな土地。都会から遠く離れた地。(出典:精選版 日本国語大辞典)
僻地は、田舎や片田舎とは異なり、都会から「地理的」に離れていることを表わすのに重きを置いた表現です。
辺鄙(へんぴ)も同様に都会から地理的に離れていることを表わす意味がありますが、辺鄙な~という形で何かの単語を説明するために使われる「形容詞」であるという点で、単語の使われ方が異なります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・今どき、こんな僻地へ旅行する者などいないということだろう。
(出典:森博嗣『四季 4 冬』)
・科学の僻地で生活している、私の隣人たちの話である。
(出典:星新一『きまぐれ星のメモ』)
・それまで、日本海岸若狭湾に面したこの僻地の城で情勢を静観していたほうが利口であろう。
(出典:司馬遼太郎『国盗り物語』)
・彼の目的はこの東洋の一僻地において、自由と独立と大志とを目ざした新しい人間教育をする大学をつくり上げる点にあった。
(出典:中谷宇吉郎『『ケプロン・黒田の構想』について』)
・ほとんどあらゆる所で馬鈴薯の栽培は成功し、僻地ではなお一般人の愛好物となっていないけれども、その使用はますます普及しつつある。(出典:吉田秀夫『人口論』)
類語
・田舎(いなか)
意味:田畑が多く、のどかな所。人家が少なく、静かでへんぴな所(出典:デジタル大辞泉)
・片田舎(かたいなか)
意味:都から遠く離れていて生活に不便なところ。(出典:デジタル大辞泉)
・辺鄙(へんぴ)
意味:都会から離れていて不便なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・辺境(へんきょう)
意味:中央から遠く離れた地帯。国ざかい。(出典:デジタル大辞泉)
・奥地(おくち)
意味:海岸線や文化の開けた所から遠く離れた内陸の地域。(出典:精選版 日本国語大辞典)