健在
「母は健在です」などのように使う「健在」という言葉。
「健在」は、音読みで「けんざい」と読みます。
「健在」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「健在」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
健在の意味
「健在」には次の二つの意味があります。
1 丈夫に暮らしている・こと
2 衰えることなく、もとのままの状態であるさま。 (出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
健在の意味①「丈夫に暮らしている・こと」
「健在」の一つ目の意味は「丈夫に暮らしている・こと」です。
「母は健在です」など、人に対して使われているのがこの意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・両親が健在であるのは、それだけで子にとってはありがたいことなのだ。
(出典:宇江佐真理『髪結い伊三次捕物余話 君を乗せる舟』)
・夫人が健在のうちは、書斎はずっと今のままで遺るのではないだろうか。
(出典:高井有一『立原正秋』)
・七十歳を過ぎた母親はまったく健在で、自分の店の指揮をとって働いている。
(出典:五木寛之『水中花』)
・今から二十三年も前のことだが、その時の客達には健在の者も少くなかった。
(出典:平岩弓枝『御宿かわせみ 15 恋文心中』)
類語
・無事(ぶじ)
意味:健康で元気なこと。(出典:デジタル大辞泉)
・息災(そくさい)
意味:病気をしないで、元気なこと。(出典:デジタル大辞泉)
・老健(ろうけん)
意味:老いてなおからだが健康なこと。(出典:デジタル大辞泉)
・健全(けんぜん)
意味:身心が正常に働き、健康であること。(出典:デジタル大辞泉)
健在の意味②「衰えることなく、もとのままの状態であるさま。 」
「健在」の二つ目の意味は「衰えることなく、もとのままの状態であるさま。 」です。
人に限らず、物や技術などが変わらず維持し続けている場合にも使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・余はこの雑誌の健在を喜ぶと共にたやすく人言を信じたる粗相とを謝す。
(出典:正岡子規『墨汁一滴』)
・一方で、噂話をしたり本を読んだりする旺盛な好奇心は健在だった。
(出典:ヴィンジ『最果ての銀河船団(上)』)
・こっちのことなんて見てもいない、という無愛想さは健在という所か。
(出典:奈須きのこ『歌月十夜 01 本編』)
・一週間の社長不在にかかわらず、思った以上に鉄工所は健在であった。
(出典:城山三郎『勇者は語らず』)
類語
・揺るぎない
意味:確固としている。 (出典:デジタル大辞泉)
・維持(いじ)
意味:物事の状態をそのまま保ちつづけること。(出典:デジタル大辞泉)
・保持(ほじ)
意味:保ちつづけること。(出典:デジタル大辞泉)
・不変(ふへん)
意味:変わらないこと。(出典:デジタル大辞泉)