値する
「この本は読むに値する」などのように使う「値する」という言葉。
「値する」は、訓読みで「あたいする」と読みます。
「値する」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「値する」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
値するの意味
「値する」には次の意味があります。
・(「…にあたいする」の形で)それをするだけの値打ちがある。ふさわしい価値がある。相当する。(出典:デジタル大辞泉)
「値する」をわかりやすく言うと「それを行うだけの価値がある」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それはまさにパンドラにとって絶望に値する記事でもあったに違いない。
(出典:高橋克彦『パンドラ・ケース よみがえる殺人』)
・その奇異な点でも記憶の特異さにおいても語るに値する話だからである。
(出典:阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男 ――伝説とその世界』)
・およそ人間世界に夫婦別れをする女ほど同情に値するものはあるまい。
(出典:幸田露伴『連環記』)
・九州には書くに値する海と山が残っているということであるのかもしれない。
(出典:山口瞳『還暦老人ボケ日記』)
・才能を発揮しようにも、それに値するだけの犯罪がないというありさまだ。
(出典:ドイル/鈴木幸夫,鮎川信夫,齊藤重信訳『シャーロック・ホームズ全集(上)』)
類語
・堪える(たえる)
意味:それをする能力がある。その力量がある。(出典:デジタル大辞泉)
・足りる(たりる)
意味:それだけの値うちがある。値する。(出典:デジタル大辞泉)
・好適(こうてき)
意味:何かを行なうのにちょうどよいこと。ふさわしいこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・手頃(てごろ)
意味:(力量、才能、また経済力などが)自分にふさわしい度合。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・そぐう
意味:よくつり合う。よく似合う。そぐなう。多く「そぐわぬ・そぐわない」の形で用いる。(出典:精選版 日本国語大辞典)