伝家の宝刀
「伝家の宝刀を抜く」などのように使う「伝家の宝刀」という言葉。
「伝家の宝刀」は、音読みで「でんかのほうとう」と読みます。
「伝家の宝刀」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「伝家の宝刀」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
伝家の宝刀の意味
「伝家の宝刀」には次の意味があります。
・家に代々伝わる大切な刀。転じて、いよいよという場合にのみ使用するもの。切り札。(出典:デジタル大辞泉)
「伝家の宝刀」は、もともと「先祖代々伝わる大切な刀」という意味の言葉ですが、転じて「切り札」というような意味で使われることが多いです。
「伝家の宝刀を抜く」で「切り札を使う」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・妻の背後に立っている僕は、伝家の宝刀を抜くという心持でもって帽子を脱いだ。
(出典:山口瞳『還暦老人ボケ日記』)
・これはね、基本的に最悪の事態への対応策であって、決して抜いてはならない伝家の宝刀な作戦ってわけ。
(出典:竜騎士07『ひぐらしのなく頃に 8 祭囃し編』)
・伝家の宝刀はおのれの身の安全を守る以外に抜くべきではない。
(出典:高木彬光『わが一高時代の犯罪』)
・当主から当主へと引き継がれて行くからこそ、伝家の宝刀、と言えるんじゃないんですか?
(出典:佐竹一彦『新任警部補』)
・よく物の譬えにいう〝伝家の宝刀〟というのは、抜くぞと見せかけるまでの効用で、決して抜いてはならぬものである。
(出典:池宮彰一郎『本能寺(上)』)
類語
・奥の手(おくのて)
意味:容易に人に知らせない、とっておきの策。最後の手段。(出典:デジタル大辞泉)
・必殺技(ひっさつわざ)
意味:必ず効果があると期待される、とっておきのわざ。(出典:デジタル大辞泉)
・秘密兵器(ひみつへいき)
意味:いざという時のために隠しておく、切り札となる人や物など。(出典:デジタル大辞泉)
・非常手段(ひじょうしゅだん)
意味:尋常でない手段。非常の場合にとられる臨機の処置。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・窮余の一策(きゅうよのいっさく)
意味:苦しまぎれに思いついた、一つの手段。(出典:精選版 日本国語大辞典)