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予定調和とは?意味、類語、使い方・例文をわかりやすく解説

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予定調和

「予定調和の展開」などのように使う「予定調和」という言葉。

「予定調和」は、音読みで「よていちょうわ」と読みます。

「予定調和」とは、どのような意味の言葉でしょうか?

この記事では「予定調和」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。

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予定調和の意味

「予定調和」には次の二つの意味があります。

1 ライプニッツの哲学で、宇宙は互いに独立したモナドからなり、宇宙が統一的な秩序状態にあるのは、神によってモナド間に調和関係が生じるようにあらかじめ定められているからであるという学説
2 (日本社会で)小説・映画・演劇・経済・政治等広い範囲で、観衆・民衆・関係者等の予想する流れに沿って事態が動き、結果も予想通りであることをいう。(出典:デジタル大辞泉)

それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。

予定調和の意味①「ライプニッツの哲学で、宇宙は互いに独立したモナドからなり、宇宙が統一的な秩序状態にあるのは、神によってモナド間に調和関係が生じるようにあらかじめ定められているからであるという学説」

「予定調和」の一つ目の意味は「ライプニッツの哲学で、宇宙は互いに独立したモナドからなり、宇宙が統一的な秩序状態にあるのは、神によってモナド間に調和関係が生じるようにあらかじめ定められているからであるという学説」です。

ライプニッツはドイツの哲学者。「モナド」とは、哲学の分野で使われている「実体」を示す言葉です。哲学で「予定調和」というと、「宇宙(世の中)は、実体どうしが衝突せずバランスよく存在するようにあらかじめ決まっている。だから秩序を保てているのだ」とする学説をさします。

小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。

使い方・例文

・しからば私は哲学者が教えたように神の予定調和にあって他との無限の関係に入っているのであろうか。
(出典:三木清『人生論ノート』)

・ただ、ヘーゲルの体系の中に、予定調和主義と思弁性を見出し、それは社会的実践の場に移されるべきだと考えたのである。
(出典:竹田青嗣『意味とエロス ―欲望論の現象学』)

・われわれは性急にライプニッツの予定調和を信ずるものではないけれども、この社会的集団的性格が構成せる物理的集団的性格が、あまりにも相互等値的に射影的でもあるのに驚異を感ずるものである。
(出典:中井正一『レンズとフィルム』)

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類語

モナド論(もなどろん)
意味:モナドというものを考える形而上学説。ライプニッツによれば、宇宙は、広がりも形もない不可分な実体モナドから構成されている。このモナドは互いに作用し合うことなく独立しているが、予定調和によって統一されている。単子論。(出典:精選版 日本国語大辞典)

単子論(たんしろん)
意味:哲学書。ライプニッツ著。一七一四年頃の著作。単子(モナド)は物質的原子とちがって、延長・形・可分性を持たず、それぞれが全く独立で自律的に変化していくが、宇宙の統一的な相互対応関係は神によって調和するようにあらかじめ定められているとする。モナド論。(出典:精選版 日本国語大辞典)

形而上(けいじじょう)
意味:哲学で、時間・空間の形式を制約とする感性を介した経験によっては認識できないもの。超自然的、理念的なもの。(出典:デジタル大辞泉)

予定調和の意味②「(日本社会で)小説・映画・演劇・経済・政治等広い範囲で、観衆・民衆・関係者等の予想する流れに沿って事態が動き、結果も予想通りであることをいう。」

「予定調和」の二つ目の意味は「(日本社会で)小説・映画・演劇・経済・政治等広い範囲で、観衆・民衆・関係者等の予想する流れに沿って事態が動き、結果も予想通りであることをいう。」です。

「予定調和の展開」で「あらかじめ分かりきっているシナリオのように、予想通りにものごとが進んでいくこと」という意味になります。

小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。

使い方・例文

・日常生活は、テレビ番組のような予定調和の世界ではないのです。
(出典:森真一『ほんとはこわい「やさしさ社会」』)

・会議そのものは、予定調和のうちに進んだ。
(出典:米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件〈上〉』)

・それとも、あのときの俺の行動も、すべては織りこみ済みの、予定調和の出来事だったのか。
(出典:万城目学『鴨川ホルモー』)

・ほとんどの科目に5がついた通知表を受け取るのは、隼子にとって予定調和だった。
(出典:姫野カオルコ『ツ、イ、ラ、ク』)

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類語

想定内(そうていない)
意味:事前に予想した範囲の内に収まっていること。(出典:デジタル大辞泉)

順当(じゅんとう)
意味:順序や道理のうえからみて適当であること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)

御約束(おやくそく)
意味:特定の状況で、大多数から次の展開として期待される物事。また、映画や小説などで、定番の状況設定や典型的な物語の展開。(出典:デジタル大辞泉)

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