不憫
「不憫に思う」などのように使う「不憫」という言葉。
「不憫」は、音読みで「ふびん」と読みます。
「不憫」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「不憫」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
不憫の意味
「不憫」には次の意味があります。
・かわいそうなこと。気の毒なこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「不憫」とは、主に人物に対して哀れみや同情の意味をこめて使う言葉です。
「不憫に思う」は「相手に対する同情の意味をこめてかわいそうに思うこと」を意味します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・だれかのことを不憫に思っているような、すこし哀しげな表情だった。
(出典:賀東招二『フルメタル・パニック!3 揺れるイントゥ・ザ・ブルー』)
・今の学生諸君の身の上が、なんだか不憫に思われて来たのであります。
(出典:太宰治『心の王者』)
・これまでどんな暮しをしていたのか、と不憫に思えてならない。
(出典:千葉暁『アルス・マグナ1 大いなる秘法 白き魔王』)
・亡くなった彼のことが不憫でならなかった。
(出典:片山恭一『雨の日のイルカたちは』)
・それを思うと不憫でやり切れない。
(出典:宇江佐真理『髪結い伊三次捕物余話 黒く塗れ』)
類語
・惨め(みじめ)
意味:かわいそうで見るにしのびないさま。いたいたしいさま。(出典:デジタル大辞泉)
・哀れ(あわれ)
意味:強い心の動き。特に悲哀・哀憐の感情。(出典:デジタル大辞泉)
・可哀想(かわいそう)
意味:人の同情をさそうようなさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・気の毒(きのどく)
意味:他人の不幸や苦痛などに同情して心を痛めること。(出典:デジタル大辞泉)
・同情(どうじょう)
意味:他人の気持や境遇、特に悲哀や不幸を、その身になって思いやること。(出典:精選版 日本国語大辞典)