トレース
「トレースして書く」などのように使う「トレース」という言葉。
英語では「trace」と書きます。
「トレース」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「トレース」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
トレースの意味
「トレース」には次の三つの意味があります。
1 原図を薄紙などに透かして、敷き写すこと。
2 登山で、踏み跡。また、その踏み跡をたどること。
3 コンピューターのプログラムが実行されていく過程を追跡し、誤りのある箇所を突き止めること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
トレースの意味①「原図を薄紙などに透かして、敷き写すこと。」
「トレース」の一つ目の意味は「原図を薄紙などに透かして、敷き写すこと。」です。
見本を透かして、書き写す際によく使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・なので社長がそれをいいかげんにトレースして入稿したらしいのだ。
(出典:内田春菊『あたしが海に還るまで』)
・あたしの仕事は商品ロゴのトレースや紙焼きだった。
(出典:内田春菊『あたしが海に還るまで』)
類語
・模倣(もほう)
意味:他のものをまねること。似せること。(出典:デジタル大辞泉)
・剽窃(ひょうせつ)
意味:他人の作品や論文を盗んで、自分のものとして発表すること。(出典:デジタル大辞泉)
・インスパイアー
意味:霊感を与えること。着想の元となること。(出典:デジタル大辞泉)
トレースの意味②「登山で、踏み跡。また、その踏み跡をたどること。」
「トレース」の二つ目の意味は「登山で、踏み跡。また、その踏み跡をたどること。」です。
比喩的に、登山に限らず「追跡する」という意味でも使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・警察は父の登山に疑いをもち、その足跡を徹底的にトレースしているのだ。
(出典:森村誠一『日本アルプス殺人事件』)
・草薙はここに来る前に風居に会ったことから、風居の行動をトレースする事で店を割り出す。
(出典:藤咲淳一『攻殻機動隊 虚無回廊』)
・直後、頭上のラインを正確にトレースして、青白い熱線が空間を灼いた。
(出典:九里史生『SAO Web 03』)
類語
・追跡(ついせき)
意味:物事の経過をたどって調べること。(出典:デジタル大辞泉)
・痕跡(こんせき)
意味:過去にある事物があったことを示す、あとかた。(出典:デジタル大辞泉)
・形跡(けいせき)
意味:物事が行われたことや物事があったことを示す跡。(出典:大辞林 第三版)
トレースの意味③「コンピューターのプログラムが実行されていく過程を追跡し、誤りのある箇所を突き止めること。」
「トレース」の三つ目の意味は「コンピューターのプログラムが実行されていく過程を追跡し、誤りのある箇所を突き止めること。」です。
プログラミングやソフトウェアで、エラーが生じた際に、どこに問題があるか突き止めることを「トレース」といいます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・さらに、実行コード網羅率を測定するために、命令の完全なトレースを利用することもできる。
・時系列に沿ってメモリ消費量をトレースすることによりヒントが得られることもある。
類語
・詮索(せんさく)
意味:細かい点まで調べ求めること。(出典:デジタル大辞泉)
・吟味(ぎんみ)
意味:物事を念入りに調べること。(出典:デジタル大辞泉)
・追求(ついきゅう)
意味:目的を達するまでどこまでも追い求めること。(出典:デジタル大辞泉)