キャパ
「キャパを超える」などのように使う「キャパ」という言葉。
「キャパ」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「キャパ」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
キャパの意味
「キャパ」には次の二つの意味があります。
1 ハンガリー生まれの報道写真家。
2 「キャパシティー」の略。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
キャパの意味①「ハンガリー生まれの報道写真家。」
「キャパ」の一つ目の意味は「ハンガリー生まれの報道写真家。」です。
Robert Capa(ロバート・キャパ)[1913〜1954]、本名はAndrei Friedmann(アンドレイ・フリードマン)と言います。
スペイン内戦や第二次世界大戦などの戦争写真で知られる、世界的に有名な写真家です。
第二次世界大戦では連合国側の雑誌特派員となり、最前線の様相を数多く撮影しています。
特に、連合軍が敢行したノルマンディー上陸作戦のドキュメントは、その迫真力により報道写真の古典的名作として今日でも高い評価を得ています。
1954年、ベトナム戦争の取材に戦地へ赴きましたが、地雷に触れて爆死されました。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・しかし本当はキャパのような報道カメラマンになりたいと言う。
(出典:つかこうへい『龍馬伝 野望篇』)
・聖戦の名のもとで愛国思想でもって撮らされていたし、キャパの場合はデモクラシーの時代になっての作品でしょう。
(出典:小堺昭三『カメラマンたちの昭和史』)
・ブレッソンやキャパに憧れる、といった高い志とは無縁、高度な技術とも関係ない。
(出典:赤川次郎『花嫁は歌わない』)
・キャパはその後、写真撮影の仕事でヴェトナムに出かけたが、そこで不幸な最期をとげた。
(出典:スタインベック/龍口直太郎訳『赤い小馬』)
類語
・カルティエ・ブレッソン
意味:フランスの写真家。1947年キャパ,デビッド・シーモアらと写真通信社〈マグナム・フォトス〉を創設。(出典:百科事典マイペディア)
・マグナム・フォトス
意味:国際的な写真通信社。1947年、ロバート・キャパ、アンリ・カルチエ・ブレッソン、デビッド・シーモア、ジョージ・ロジャーの4人によってパリで設立された。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・ビショフ
意味:スイスの写真家。フォト・ジャーナリストとして世界各国で旺盛に活動。1949年キャパらが設立したマグナム・フォトスのメンバーとなる。(出典:百科事典マイペディア)
・報道写真(ほうどうしゃしん)
意味:事実を報道することを目的として撮影された写真。(出典:精選版 日本国語大辞典)
キャパの意味②「キャパシティーの略。」
「キャパ」の二つ目の意味は「キャパシティーの略。」です。
英語の「capacity」が省略された言葉です。
意味は、英語の意味通りで、収容能力や容量を意味します。
イベントやコンサートの会場など、場所の収容人数を表すときに多く用いられます。
また、人や物の能力について、その受容力や対応力を言及するときにも使うことができます。
特に写真や報道に詳しくない方の多くは、「キャパ」と聞くとこちらの意味と捉える人がほとんどではないでしょうか。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・しかしキャパ七百の単なる劇場が、本当に目玉となりうるのだろうか?
(出典:原田宗典『27』)
・だが、ザ・マンパイは舞台も広いし、キャパもでかい。
(出典:石田衣良『下北サンデーズ』)
・キャパが無限のデータベースみたいなもんかと俺は思ってるんだけど。
(出典:有川浩『空の中』)
・私は実は昨日は、私の認識能力のキャパからすればあまりにおおぜいの人がいて、ひとりひとりの顔まではよく覚えていなかった。
(出典:岸本葉子『マンション買って部屋づくり』)
類語
・定員(ていいん)
意味:乗り物や催し物の会場などに無理や危険なく収容できるものとして定められた人数。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・容量(ようりょう)
意味:受け入れられる能力、または容器の体積。(出典:栄養・生化学辞典)
・力量(りきりょう)
意味:物事を成し遂げる力の程度。能力の大きさ。(出典:デジタル大辞泉)
・技量(ぎりょう)
意味:ある物事を行う能力。腕前。手並み。(出典:デジタル大辞泉)