アナクロニズム
「アナクロニズムな人間」などのように使う「アナクロニズム」という言葉。
英語では「anachronism」と表記します。
「アナクロニズム」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「アナクロニズム」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
アナクロニズムの意味
「アナクロニズム」には次の意味があります。
・時代の新旧をとりちがえること。特に、その時代の傾向と大きく食い違ったり、逆行したりしていること。時代錯誤。アナクロ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
時代遅れな様子を指して使われます。アナクロと略すことも多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・このことは、いまではアナクロニズムとして一顧もされないことだ。
(出典:ダンテ/三浦逸雄訳『神曲(第一部) 地獄篇』)
・京都が首都だった頃から存在するのではと思うくらいにアナクロニズムに満ちた、素晴らしい古典空間である。
(出典:西尾維新『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識』)
・結局あの哀れな男はアナクロニズムの好例たるにすぎない。
(出典:スタンダール/大久保和郎訳『赤と黒(下)』)
・ここから直観に立ち戻ることは、多くの人に、アナクロニズムのように見えるでありましょう。
(出典:湯川秀樹『創造的人間』)
・「忍術帖」というのは今から思うとおかしいようだが、どうせアナクロニズムを逆手に取った物語を書くのだからこれも悪くないと考えた。
(出典:山田風太郎『忍法帖1 甲賀忍法帖』)
類語
・時代錯誤(じだいさくご)
意味:異なる時代の現象・事件・人物・思考などを、歴史の流れを考慮しないで結びつけて理解する誤り。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・廃語(はいご)
意味:古くは使われていたが、現在は全く用いられなくなった語。(出典:デジタル大辞泉)
・前時代的(ぜんじだいてき)
意味:一つ前の時代のように古くさいさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・オールドファッション
意味:(形やスタイルが)古めかしいこと。古くさいこと。流行おくれ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・後進(こうしん)
意味:ものの程度や進歩の度合が遅れていること。(出典:精選版 日本国語大辞典)