まとも
「まともな人間」などのように使う「まとも」という言葉。
「まとも」は、漢字で「正面」と書きます。
「まとも」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「まとも」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
まともの意味
「まとも」には次の三つの意味があります。
1 まっすぐに向かい合うこと。正しく向かい合うこと。また、そのさま。真正面。
2 策略や駆け引きをしないこと。また、そのさま。
3 まじめなこと。正当であること。また、そのさま。 (出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
まともの意味①「まっすぐに向かい合うこと。正しく向かい合うこと。また、そのさま。真正面。」
「まとも」の一つ目の意味は「まっすぐに向かい合うこと。正しく向かい合うこと。また、そのさま。真正面。」です。
「まとも」は漢字で書くと「正面」であり、漢字の通りの意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・女と話をしなければならないときでも、相手の顔をまともに見なかった。
(出典:カザノヴァ/田辺貞之助訳『カザノヴァ回想録 第一巻』)
・顔一面にまともに当る太陽が、その大きな灰色の眼をなかば閉じさせた。
(出典:ケッセル/堀口大學訳『昼顔』)
・わたしの剣の切先をまともにうけた。
(出典:バローズ『火星シリーズ8 火星の透明人間』)
・壁は、その太陽の光をまともに受けとめていた。
(出典:片岡義男『波乗りの島』)
まともの意味②「策略や駆け引きをしないこと。また、そのさま。」
「まとも」の二つ目の意味は「策略や駆け引きをしないこと。また、そのさま。」です。
小細工無しで物事を行うことを意味します。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・まともに会話してくれないんだったら 教職という立場を利用してやる。
(出典:きゃんでぃそふと『つよきすACT F』)
・彼はまず自分は探偵だとまともに名乗って脅かしただろうと思う。
(出典:浜尾四郎『殺人鬼』)
・彼は、笑って、まともな返事をしなかつた。
(出典:岸田国士『山形屋の青春』)
・こちらはすでに残るところ約四十名にすぎず、まともに対抗できないことは明らかだった。
(出典:T・E・ロレンス/安引宏訳『砂漠の叛乱』)
まともの意味③「まじめなこと。正当であること。また、そのさま。」
「まとも」の三つ目の意味は「まじめなこと。正当であること。また、そのさま。」です。
わかりやすく言えば「まっとう」という意味です。
「まともな人間」や「まともな仕事」などの場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・何かまともな仕事をしようと決心した。
(出典:ニーヴン,パーネル『悪魔のハンマー〔下〕』)
・これなしではまともな生活は送れません。
(出典:片岡義男『道順は彼女に訊く』)
・屑かごの中にまともなものがはいってることなんかありゃしない。
(出典:クリスティ/一ノ瀬直二訳『秘密組織』)
・このあたりでは、そこが、どうもいちばんまともなところらしいからな。
(出典:C・S・ルイス/瀬田貞二訳『(ナルニア国物語3) 朝びらき丸東の海へ』)