のっぴきならない
「のっぴきならない状況」などと使われる言葉です。
漢字を用いて「退っ引きならない」「退引ならない」と書くこともあります。
この記事では「のっぴきならない」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
のっぴきならないの意味
のっぴきならないには次の意味があります。
・避けることもしりぞくこともできない。のがれることができない。動きがとれない。進退きわまる。ぬきさしならぬ。のきひきならない。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「のっぴきならない」は「のきひきならない」が転じたものと言われています。
「のきひきならない」は「退く(のく)」ことも「引く(ひく)」ことも出来ない、つまり、「逃げたり避けたりできない」という意味の言葉です。
具体的な使い方や例文は下記の通りです。
使い方・例文
・何かよほどのっぴきならない出来事が、事件があったわけなのだろうか。
(出典:綾辻行人『暗黒館の殺人(下)』)
・しかし、あの本では、筆者はのっぴきならないことを本当に書いたんだ。
(出典:ウルフ/岡部宏之訳『新しい太陽の書2』)
・それに、現在のようなのっぴきならない状況では、ただひとつの方法です。
(出典:ルブラン/野内良三訳『ルパンの告白』)
・そして二人の間には、退引ならないものが生じてきた。
(出典:豊島与志雄『故郷』)
・退引ならない難儀を逃れるのには、寧そここを逃げて帰るに限るとも思った。
(出典:岡本綺堂『黄八丈の小袖』)