そこはかとない
「そこはかとなく感じる」などのように使う「そこはかとない」という言葉。
「そこはかとない」は、訓読みで「そこはかとない」と読みます。
「そこはかとない」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「そこはかとない」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
そこはかとないの意味
「そこはかとない」には次の意味があります。
・何となくある事が感じられるさま。どこがどうということでない。(出典:デジタル大辞泉)
わかりやすく言うと、「なんとなくそのように感じられるさま」という意味です。
文語の「そこはかとなし」も同じ意味の言葉で、現代でも使われることがあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・思わね反応に少しばかり胸むねの奥おくがドクリと動くのをそこはかとなく感じていると。
(出典:五十嵐雄策『乃木坂春香の秘密 第13巻』)
・ あいかわらず不快なようには見えなかったが、それでも彼がこの話題を歓迎してはいないのが、そこはかとなく感じられた。
(出典:小野不由美『十二国記 魔性の子』)
・古野は確信的に、そして大石はそこはかとない愛着を新美に感じていた。
(出典:井田真木子『もうひとつの青春 同性愛者たち』)
・さすがに二月に入ると、そこはかとなく日射しがちがってきたかのようだ。
(出典:池波正太郎『剣客商売 05 白い鬼』)
・だが、その口調は困惑よりも、そこはかとないうれしさをにじませていた。
(出典:藤堂志津子『ジョーカー』)
類語
・なんとなく
意味:はっきりした理由や目的もないさま。わけもなく。どことなく。(出典:大辞林 第三版)
・どことなく
意味:どこと、はっきり定まった場所もなく。また、どことは、はっきり言えないけれど。なんとなく。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・ぼんやり
意味: 事柄の内容などがはっきりしないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・不鮮明(ふせんめい)
意味: 鮮明でないさま。はっきりしないさま。あきらかでないさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・ほんのり
意味:色・香・姿などが、かすかなさま。うっすら。ほのかに。(出典:デジタル大辞泉)