けしかける
「部下をけしかける」などのように使う「けしかける」という言葉。
「けしかける」は、漢字で「嗾ける」と書きます。
「けしかける」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「けしかける」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
けしかけるの意味
「けしかける」には次の二つの意味があります。
1 勢いづけて相手を攻撃させる。
2相手をおだてあげて自分の思うとおりのことをさせる。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
けしかけるの意味①「勢いづけて相手を攻撃させる。」
「けしかける」の一つ目の意味は「勢いづけて相手を攻撃させる。」です。
犬や人などを盛り立てて、相手を攻撃させることを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・チャレンジャーがここにいたら、きみに犬をけしかけていたところだ。
(出典:ドイル/永井淳訳『毒ガス帯』)
・みんなをけしかけて二人を囃したてる。
(出典:中勘助『銀の匙』)
・あれは悪いやつだが、あれをけしかけた、もっと悪いやつがいる。
(出典:スティーヴンスン/田中西二郎訳『宝島』)
・そのまま決闘でもしてしまえと、口ほどにものを言う目でけしかけてくる。
(出典:丈月城『カンピオーネ! 1 神はまつろわず』)
類語
・そそのかす
意味:その気になるように仕向ける。(出典:デジタル大辞泉)
・吹っかける(ふっかける)
意味:威勢よくしかける。意気込んでしむける。(出典:デジタル大辞泉)
・挑発する(ちょうはつする)
意味:刺激して事件や紛争などを起こすようにしかけること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・駆り立てる(かりたてる)
意味:その人の意志に関係なく無理に行かせる。(出典:デジタル大辞泉)
けしかけるの意味②「相手をおだてあげて自分の思うとおりのことをさせる。」
「けしかける」の二つ目の意味は「相手をおだてあげて自分の思うとおりのことをさせる。」です。
相手を自分の思うように誘導することです。
相手の気弱さに、強く背中を押すような場面でも使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・「お前も一番乗って儲かれや」 とその中の一人は仁右衛門をけしかけた。
(出典:有島武郎『カインの末裔』)
・その放熱を仕事に生かさなくてどうする、と自分をけしかけた。
(出典:野沢尚『龍時(リュウジ)1─2』)
・わざと老爺をけしかけるように踊った。
(出典:難波利三『てんのじ村』)
・いわば松陰にけしかけられながら、二人は好敵手としての友情を育ててきた。
(出典:古川薫『花冠の志士小説久坂玄瑞』)
類語
・たきつける
意味:人をそそのかして何かをさせる。(出典:デジタル大辞泉)
・あおる
意味:おだてたりして、相手がある行動をするように仕向ける。(出典:デジタル大辞泉)
・差し金(さしがね)
意味:陰で人に指図して操ること。(出典:デジタル大辞泉)
・仕向ける(しむける)
意味:あることをするよう、人に働きかける。(出典:デジタル大辞泉)