老巧
「老巧な手口」などのように使う「老巧」という言葉。
「老巧」は、音読みで「ろうこう」と読みます。
「老巧」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「老巧」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
老巧の意味
「老巧」には次の意味があります。
・経験を積んで物事をするのに巧みで抜け目のないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
「老巧」という言葉をわかりやすく言うと、「多くの経験を経て有能になること」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・危いと見る間に、イランの戦士は老巧な腰のひねりでぐっと右をさした。
(出典:宮本百合子『古き小画』)
・前者は初心にできても、後者は老巧なものでなければできない重い役割であろう。
(出典:寺田寅彦『俳諧の本質的概論』)
・さすがの忠左衛門ら老巧の士も、内蔵助の二段三段の構えは読めなかった。
(出典:池宮彰一郎『四十七人の刺客(上)』)
・電気直前のもので老巧ではあるが、老いの跡を蔽うことは出来ない。
(出典:野村胡堂『名曲決定盤』)
・忠興は、出陣の際、虫が知らせたか、老巧の将を留守にのこして行った。
(出典:吉川英治『日本名婦伝』)
・そういう時には最も老巧な猟人といえども一言もない。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・なんといっても助五郎は、老巧の上に子分も多く、それにご用を聞いている。
(出典:国枝史郎『名人地獄』)
・わたしが今にぎっているその老巧の極にある人生さえも、そう思う。
(出典:モンテーニュ/関根秀雄訳『モンテーニュ随想録抄』)