消化
「食べ物を消化する」などのように使う「消化」という言葉。
「消化」は、音読みで「消化」と読みます。
「消化」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「消化」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
消化の意味
「消化」には次の四つの意味があります。
1 生体が体内で食物を吸収しやすい形に変化させること。また、その過程。
2 理論や知識などをよく理解して自分のものとして身につけること。
3 たまった仕事や商品をさばくこと。
4 形がなくなって他のものに変化すること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
消化の意味①「生体が体内で食物を吸収しやすい形に変化させること。また、その過程。」
「消化」の一つ目の意味は「生体が体内で食物を吸収しやすい形に変化させること。また、その過程。」です。
「食べ物を消化する」で、「食べ物を吸収する働きが行われている」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・しかし生では食べなくとも消化しやすく料理したものは晩食に用います。
(出典:村井弦斎『食道楽』)
・人は呼吸をしますし、心臓は動いていますし、胃は消化を続けています。
(出典:村上春樹『1Q84 BOOK3』)
・何日間も食ってなかったから、一気に消化するだろうと思ってたんだよ。
(出典:山際淳司『ナックルボールを風に』)
類語
・吸収(きゅうしゅう)
意味:生物体が生体膜を通して物質を内部に取り入れること。(出典:デジタル大辞泉)
・摂取(せっしゅ)
意味:取り入れて自分のものにすること。(出典:デジタル大辞泉)
・熟す(こなす)
意味:食べた物を消化する。(出典:デジタル大辞泉)
消化の意味②「理論や知識などをよく理解して自分のものとして身につけること。」
「消化」の二つ目の意味は「理論や知識などをよく理解して自分のものとして身につけること。」です。
「本の内容を消化する」で、「本に書いてある内容を理解し、吸収する」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・殷雷とかいう男に教授された理屈を、自分なりに消化してみたものだ。
(出典:ろくごまるに『封仙娘娘追宝録2 嵐を招く道士たち』)
・その議論を宇都宮は、現地のイギリスで充分に消化することができた。
(出典:大江志乃夫『凩の時』)
・これは、この話を消化しきるのにはかなりの時間がかかりそうな気がした・・・。
(出典:むぅ『「未来に向かって」』)
類語
・理解(りかい)
意味:内容、意味などがわかること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・咀嚼(そしゃく)
意味:言葉や文章などの意味・内容をよく考えて理解すること。(出典:デジタル大辞泉)
・読み取る(よみとる)
意味:文章などを読んで、意味や主旨を理解する。(出典:デジタル大辞泉)
消化の意味③「たまった仕事や商品をさばくこと。」
「消化」の三つ目の意味は「たまった仕事や商品をさばくこと。」です。
「売れ残っていた在庫商品を消化した」で、「売れ残っていた在庫商品を売り切った」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・電車内で原稿類はいくつか消化したが、イラストや写真的なものはそうはいかぬ。
(出典:赤瀬川原平『老人力 全一冊』)
・室さんも一種の現場復帰のイメージで、たて混んだ仕事を消化させられている。
(出典:山口洋子『演歌の虫』)
・それは、必要のため、消化すべき練習のメニューのひとつに過ぎなかった。
(出典:川島誠『もういちど走り出そう』)
類語
・終わる(おわる)
意味:続いていた物事が、そこでなくなる。しまいになる。(出典:デジタル大辞泉)
・熟す(こなす)
意味:与えられた仕事などをうまく処理する。(出典:デジタル大辞泉)
・処理(しょり)
意味:物事を取りさばいて始末をつけること。(出典:デジタル大辞泉)
消化の意味④「形がなくなって他のものに変化すること。」
「消化」の四つ目の意味は「形がなくなって他のものに変化すること。」です。
「肉体が消化し、骨になる」という文で、「体の皮や肉などがなくなり、骨になる」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それでは楠だけに限らず、どの木も消化して石になりでもしたのであろうか。
(出典:根岸鎮衛/志村有弘訳『耳袋の怪』)
・そして消化を終えて墓の中にはいると思う喜びを得るものです。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・もしも掲げた魔法名を完全に消化してしまったのなら、その存在には何が残るのか。
(出典:鎌池和馬『新約 とある魔術の禁書目録 第13巻』)
類語
・リサイクル
意味:資源の有効利用、環境汚染防止のために、廃物を原料として再生し利用すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・副産物(ふくさんぶつ)
意味:ある製品を生産する過程で、それに付随して得られる他の産物。(出典:デジタル大辞泉)
・朽ち果てる(くちはてる)
意味:すっかり腐ってもとの形をなくしてしまう。(出典:デジタル大辞泉)