残心
「残心のかまえ」などのように使う「残心」という言葉。
「残心」は、音読みで「ざんしん」と読みます。
「残心」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「残心」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
残心の意味
「残心」には次の二つの意味があります。
1 心を残していること。物事に対して、まだ十分に満足していないさま。
2 剣道や弓道での心構えについていう語。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
残心の意味①「心を残していること。物事に対して、まだ十分に満足していないさま。」
「残心」の一つ目の意味は「心を残していること。物事に対して、まだ十分に満足していないさま。」です。
この意味を分かりやすくいうと「心残り」や「未練」がある状態のことです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・綺礼はゆっくりと吐気して残心する。
(出典:虚淵玄『Fate/Zero Vol.4 「煉獄の炎」』)
・しかし筒井康隆は七瀬シリーズを残心をもって完結した。
(出典:筒井康隆『(「七瀬」三部作 2) 七瀬ふたたび』)
・まあ、心を残すと書いて、残心。
(出典:西尾維新『物語シリーズ 18 続・終物語』)
・残心ってヤツよ残心。
(出典:宮谷シュンジ『絶望の世界 2希望の世界』)
・残心を残しつつその場を去った
残心の意味②「剣道や弓道での心構えについていう語。」
「残心」の二つ目の意味は「剣道や弓道での心構えについていう語。」です。
剣道であれば、打ち込んだ後の反撃に備える心構えのこと。弓道であれば、矢を射った後の反応を見極める状態を持続することを指します。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・私もすこし剣道のことを知っているので、残心のことに就いて書こう。
(出典:国枝史郎『今昔茶話』)
・相手の竹刀に、わずかに触られたり、寄られて残心を潰されたりもした。
(出典:誉田哲也『武士道セブンティーン』)
・一方、腹に草鞋を抱いた春海は、負けてもなお残心の姿勢を崩さなかった。
(出典:冲方丁『天地明察』)
・残心とは矢が当たるかどうかを見極めるものではない。
(出典:奈須きのこ『Fate/stay night セイバー -v1.00』)
・小次郎の残心の構えは、完全にしゃがんだ姿勢だったからである。
(出典:柴田錬三郎『決闘者 宮本武蔵(中)』)