奉納
「絵馬を奉納する」などのように使う「奉納」という言葉。
「奉納」は、音読みで「ほうのう」と読みます。
「奉納」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「奉納」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
奉納の意味
「奉納」には次の意味があります。
・神仏に喜んで納めてもらうために物品を供えたり、その前で芸能・競技などを行ったりすること。(出典:デジタル大辞泉)
奉納は、特に寺社に物品・芸能・競技、例えば灯篭や流鏑馬(やぶさめ)、神楽(かぐら)などを納める場合に使われる表現です。寺社に金銭を納める場合は主に「寄進」が、神仏以外にに人や国にも納める場合は「献納」という言葉が使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・現代の仏師が彫った名作が由緒ある寺に奉納されている場合も多いのである。
(出典:長尾三郎『魂を彫る 鑿に賭けた大仏師父子の「心の王国」』)
・つぎの朝早く、お堂はすでに生け花と奉納された提灯で飾り付けられていた。
(出典:林田清明『死生に関するいくつかの断想 』)
・参詣の人々はそのへんに満ちあふれ、奉納の宝物を捧げる人々が続く。
(出典:田辺聖子『新源氏物語』)
・行って見ると鍋の蓋に種々の願文を書いて奉納してあった。
(出典:柳田国男『遠野物語 付・遠野物語拾遺』)
・この神殿の神は美しい音を好むので、楽師がよく、楽器を奉納しに訪れるんです。
(出典:上橋菜穂子『獣の奏者 IV 完結編』)
類語
・寄進(きしん)
意味:神社や寺院に、金銭や物品を寄付すること(出典:精選版 日本国語大辞典)
・奉献(ほうけん)
意味:社寺、貴人などに、物をたてまつること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・謹呈(きんてい)
意味:つつしんで差し上げること。物を贈るときに用いる語。(出典:デジタル大辞泉)
・御布施(おふせ)
意味:仏や僧に喜捨する金品。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・献納(けんのう)
意味:神仏や国家、貴人などに物品をさしあげること。(出典:精選版 日本国語大辞典)