以心伝心
「いしんでんしん」と読みます。
「君と僕とは以心伝心」といった形で使います。
人間関係や恋愛話でよく耳にする、「以心伝心」とはどのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「以心伝心」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
以心伝心の意味
以心伝心(いしんでんしん)には次の二つの意味があります。
1 禅宗で、言葉では表せない仏法の神髄を無言のうちに弟子に伝えること。
2 考えていることが、言葉を使わないでも互いにわかること。(出典:大辞林)
「以心伝心」はもともと仏教用語であり、1の意味から転じて2の意味で一般に使われるようになりました。
それぞれの意味と使い方については下記の通りです。
以心伝心の意味①「言葉では表せない仏法の神髄を無言のうちに弟子に伝えること」
以心伝心の1つ目の意味は「言葉では表せない仏法の神髄を無言のうちに弟子に伝えること」です。
これは、仏教、特に禅宗の用語として使われています。
使い方・例文
・胡蘆藤の胡蘆藤をまつふは、仏祖の仏祖を参究し、仏祖の仏祖を証契するなり。たとへばこれ以心伝心なり。(出典:道元『正法眼蔵』)
以心伝心の意味②「考えていることが、言葉を使わないでも互いにわかること」
以心伝心の2つ目の意味は「考えていることが、言葉を使わないでも互いにわかること」です。
日常で使う場合はこの意味であることがほとんどです。
使い方・例文
・どうも以心伝心というか、兄には弟の気持を見通すようなところがある。 (出典:平岩弓枝『御宿かわせみ 23 源太郎の初恋』)
・いくら離れていても以心伝心というものがあると言います。 (出典:アレクサンドル・デュマ/泉田武二訳『モンテ・クリスト伯(3)』)
・この以心伝心パワーをもう少し恋人同士の雰囲気作りとかに利用してもらいたいものだと本気で思う。(出典:沖田雅『先輩とぼく 05』)
・以心伝心っていうのかな、顔見なくても仲よくなるとそういうのわかってくる。 (出典:今野緒雪『マリア様がみてる 03 いばらの森』)
・コンビを組んでいる間に二人は以心伝心の間柄になっている。 (出典:森村誠一『ミッドウェイ』)