艶冶
「艶冶な姿に心を奪われる」などのように使う「艶冶」という言葉。
「艶冶」は、音読みで「えんや」と読みます。
「艶冶」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「艶冶」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
艶冶の意味
「艶冶」には次の意味があります。
・なまめいて美しいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
「艶冶」をわかりやすく言うと、「色気を感じさせるような美しさ」です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・清長の艶冶な絵が、ひどくそらぞらしいものに思えたのである。
(出典:藤沢周平『喜多川歌麿女絵草紙』)
・月番の語り女は、三人の同僚とひとしく、艶冶な娼婦の装いにてあるべし。
(出典:サド/澁澤龍彦訳『ソドム百二十日』)
・皮膚には、無数の縮緬皺がよって、舞台の上から観客を悩殺するあの艶冶たる容姿はどこにも見いだされない。
(出典:横溝正史『花髑髏』)
・なま暖かい風が動き、遅咲きの桜の花弁が雨の名残りの雫を重く吸って艶冶な風情となっていた。
(出典:井伏鱒二『小説日本芸譚』)
・王妃タハミーネの、表現しがたいほど艶冶な美貌に対して、若い男がもっともいだきやすい感情であり、それを受けることにタハミーネもなれていた。
(出典:田中芳樹『アルスラーン戦記01 「王都炎上」』)
類語
・妖艶(ようえん)
意味:あやしいほどになまめかしく美しいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・婀娜(あだ)
意味:たおやかで美しいさま。なよやかで、なまめかしいさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・清艶(せいえん)
意味:清らかであでやかなこと。清らかでしとやかなこと。(出典:デジタル大辞泉)
・優婉(ゆうえん)
意味:やさしくしとやかなこと。美しくあでやかなこと。上品で美しいこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・魅惑的(みわくてき)
意味:魅力で人の心をひきつけまどわすさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)