棚に上げる
「自分のことは棚に上げる」などのように使う「棚に上げる」という言葉。
「棚に上げる」は、訓読みで「たなにあげる」と読みます。
「棚に上げる」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「棚に上げる」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
棚に上げるの意味
「棚に上げる」には次の意味があります。
・知らん顔をして問題にしない。不都合なことには触れずにおく。(出典:デジタル大辞泉)
「棚に上げる」は「棚の上のほうに物をしまっておく」が語源です。
上に物を置くと下からは見えません。
そこから、「自分に都合の悪いことには触れない」という意味の慣用句になりました。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・自分のことは棚に上げて、そんなことを考える男など、いるはずがない。
(出典:乃南アサ『ヴァンサンカンまでに』)
・たいてい、そういうことを言う人は、自分のことを棚に上げているのだ。
(出典:森瑤子『終りの美学』)
・ぼくも人のことは言えないが、この際自分のことは棚に上げていた。
(出典:曽根圭介『鼻』)
・ 私は自分の悪い事はすっかり棚に上げ、父をも母をも弟をも恨んでいました。
(出典:大倉燁子『鉄の処女』)
・三十歳を過ぎた大の男が下戸なのを棚に上げて、何えばっていやがるんだ。
(出典:角田光代『太陽と毒ぐも』)
類語
・口を拭う(くちをぬぐう)
意味:何か悪いことをしていながら素知らぬふりをする。また、知っていながら知らないふりをする。(出典:デジタル大辞泉)
・ペンディング
意味:未解決の状態にとどまること。保留すること。(出典:デジタル大辞泉)
・目もくれない(めもくれない)
意味:少しの関心も示さない。見向きもしない。(出典:デジタル大辞泉)
・反故にする(ほごにする)
意味:ないものとする。役に立たないものにする。(出典:デジタル大辞泉)
・打っちゃる(うっちゃる)
意味:そのままにしておく。ほうっておく。ほったらかす。(出典:デジタル大辞泉)