呆然
「呆然と立ち尽くす」などのように使う「呆然」という言葉。
「呆然」は、音読みで「ぼうぜん」と読みます。
「呆然」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「呆然」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
呆然の意味
「呆然」には次の意味があります。
・気抜けしてぼんやりしたさま。また、あきれるさま。あっけにとられるさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
予想外のことに接してどうしていいか分からず、気が抜けたようになることです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ぼくはいつも教室のうしろのほうでただ呆然としているより他はなかった。
(出典:東海林さだお『ショージ君の青春記』)
・白骨達のように砂になるとばかり思っていたカイルロッドは呆然とした。
(出典:冴木忍『カイルロッドの苦難 5 野望は暗闇の奥で』)
・私はほとんど呆然として、しばらく何も考えず、われを忘れていました。
(出典:三好十郎『歩くこと』)
・時折、かれも一緒になって周囲にある自分の財産を呆然として見つめた。
(出典:フィッツジェラルド・フランシス・スコット『グレイト・ギャツビー』)
・どこか呆然としてるふうではあったが、苦痛がある様子ではなかった。
(出典:小野不由美『屍鬼(上)』)
類語
・絶句(ぜっく)
意味:話や演説の途中で言葉に詰まること。(出典:デジタル大辞泉)
・唖然(あぜん)
意味:思いがけないことに驚き、あきれて物も言えないさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・自失(じしつ)
意味:自己を見失ってぼんやりすること。(出典:デジタル大辞泉)
・放心(ほうしん )
意味:心を奪われたりして、魂が抜けたようにぼんやりすること。(出典:デジタル大辞泉)
・五里霧中(ごりむちゅう)
意味:方向を失うこと。物事の判断がつかなくて、どうしていいか迷うこと。(出典:デジタル大辞泉)