夜なべ(夜業)
「夜なべ仕事」などのように使う「夜なべ」という言葉。
「夜なべ」は、訓読みで「よなべ」と読みます。
「夜なべ」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「夜なべ」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
夜なべ(夜業)の意味
「夜なべ(夜業)」には次の意味があります。
・《夜、鍋で物を煮て食べながらする意からという》夜、仕事をすること。また、その仕事。夜業(やぎょう)。夜仕事。(出典:デジタル大辞泉)
童謡の歌詞で有名なのは「母さんが夜なべをして手袋編んでくれた~」(「かあさんの歌」)ですね。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・両方の眼は涙と夜なべで疲れきって、まだすこし物が見えるというのがやっとです。
(出典:佐藤正彰 『千一夜物語』)
・手前ェの着物をほどいて、おさきのために夜なべ仕事までしている。
(出典:宇江佐真理 『髪結い伊三次捕物余話 さらば深川』)
・うちも今忙しくて、社長と二人ですから、夜なべしてるくらいですから。
(出典:宮部みゆき 『模倣犯ー下』)
・まったくサルコジャの婆さんは結構な夜なべ仕事をやってのけたものさ。
(出典:バローズ 『火星のプリンセス』)
・爐邊にある古い屏風の側が爺やの夜なべをする塲所ときまつて居ました。
(出典:島崎藤村 『ふるさと』)
・以前は此の土地でも綿が採れたので、夜なべには女が皆竹籰で絲を引いた。
(出典:長塚節 『土』)
・夜なべの仕事がすむと、彼は僕の部屋へ遠慮しいしいやつて來る。
(出典:田畑修一郎 『南方』)
・晩めしがすんでから夜なべがはじまるまでに小一時間の食休みがあった。
(出典:小堺昭三 『カメラマンたちの昭和史』)