彩る
「四季を彩る」などのように使う「彩る」という言葉。
「彩る」は、訓読みで「いろどる」と読みます。
「彩る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「彩る」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
彩るの意味
「彩る」には主に次の三つの意味があります。
1色をつける。彩色する。化粧する。
2さまざまの色や物を取り合わせて飾る。
3おもしろみや趣などを付け加える。 (出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
彩るの意味①「色をつける。彩色する。化粧する。」
「彩る」の一つ目の意味は「色をつける。彩色する。化粧する。」です。
無機質な下地に様々な色を塗り美しく仕上げることであり、転じて顔に色をつけることです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・かと思うと、アイシャドウに彩られた女の眸だけが画面いっぱいにある。
(出典:小堺昭三『カメラマンたちの昭和史』)
・絵看板のなかで、あくどい色に彩られた多鶴子の顔がイッと笑っていた。
(出典:織田作之助『青春の逆説』)
・中から現れた人間とも動物ともつかぬ顔も、赤と黒で彩られている。
(出典:三浦綾子『海嶺(中)』)
彩るの意味②「さまざまの色や物を取り合わせて飾る。」
「彩る」の二つ目の意味は「さまざまの色や物を取り合わせて飾る。」です。
殺風景な見た目を様々な物を置いて鮮やかに見せることです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・この空間を彩る調度品かなにかかと思ったが、どうやらそうではないようだ。
(出典:雨木シュウスケ『鋼殻のレギオス13 グレー・コンチェルト』)
・宗倫は顧客である貴族や豪族に、屋敷を彩る花々を納めていたのである。
(出典:森福都『長安牡丹花異聞』)
・通りを彩る立看板や屋根看板も、春の光の下、色合いもいっそう美しい。
(出典:宮部みゆき『かまいたち』)
彩るの意味③「おもしろみや趣などを付け加える。」
「彩る」の三つ目の意味は「おもしろみや趣などを付け加える。」です。
話や逸話などに真実を曲げないような脚色を加え、相手が想像しやすいような表現に変えることです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・出てきた候補は先輩の趣味に彩られた、あれな感じのものばかりだった。
(出典:沖田雅『先輩とぼく 1』)
・人を守る時ですら、守られた人の顔が恐怖に彩られているかもしれない。
(出典:支倉凍砂『狼と香辛料X』)
・つまり幼いときから彼女の生活のすべては宗教に彩られていたのだ。
(出典:花村萬月『ゲルマニウムの夜 王国記』)