辛うじて
「辛うじてクリアした」などのように使う「辛うじて」という言葉。
「辛うじて」は、訓読みで「かろうじて」と読みます。
「辛うじて」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「辛うじて」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
辛うじての意味
「辛うじて」には次の意味があります。
・やっとのことで。どうにか。(出典:デジタル大辞泉)
「辛うじて」をわかりやすく言うと「簡単にではなく、やっとのことで」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・彼は冴子の許可の下に辛うじてそれらの使用を許されているにすぎない。
(出典:森村誠一『分水嶺』)
・人々の背に支えられ、体をのけぞらせるようにして辛うじて立っている。
(出典:吉村昭『羆』)
・辛うじて戦場を逃げられたものの、いつ追撃の手がかかるかわからない。
(出典:千葉暁『アルス・マグナ4 大いなる秘法 邪教の都』)
・壁の左の方に一つだけある窓から、外はまだ明るいことが辛うじてわかる。
(出典:森博嗣『G 3 τになるまで待って』)
・車が動き始める直前に、辛うじてその光景を捉えることができたのだった。
(出典:カヴァン『氷』)
・その声は辛うじて動いている唇からまるで蒸発して出てくるかのようであった。
(出典:ツルゲーネフ/佐々木彰訳『猟人日記(下)』)
・輸出で辛うじて生産量を維持していたが、それだけでは採算は合わない。
(出典:佐藤正明『ホンダ神話 教祖のなき後で(上)』)
・辛うじて二口か三口のパンをかじり、数滴の水を飲んだだけであった。
(出典:アレクサンドル・デュマ/泉田武二訳『モンテ・クリスト伯』)