輪読
「輪読会」などのように使う「輪読」という言葉。
「輪読」は、音読みで「りんどく」と読みます。
「輪読」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「輪読」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
輪読の意味
「輪読」には次の意味があります。
・数人が一つの本を順番に読んで解釈をし、問題点について論じ合ったりすること。(出典:デジタル大辞泉)
発表を目的とする読書会と比べて、輪読(会)は、理解を深める目的で行なわれます。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・一回に二章ずつの輪読であった。
(出典:三浦綾子『ちいろば先生物語』)
・学校の寄宿舎生の間に、自分たちで組織している物資融通機関のようなものや、輪読会のようなものや、級自治会のようなものはあるのだろうか。
(出典:宮本百合子『女性の歴史の七十四年』)
・また森先生の『紅梅千句』『大坂独吟集』の輪読は、これまた大変な準備が必要で、苦労した授業の一つだった。
(出典:林望『テーブルの雲』)
・そのうち日本新聞の輪読とか解説がソ連軍の強制によって始められ、回を重ねていくうちに徐々にしみ渡るようになり、意識の高まりとともに、それまでの不良労働者では人がついてゆかなくなりました。
(出典:御田重宝『シベリア抑留』)
・読書会では、テキストのページを追って輪読する場合もあったが、「二宮翁夜話」の取り扱いはそうではなかった。
(出典:下村湖人『次郎物語』)
・席順に、一人宛、一節の教科書を輪読させて、間違おうが、支えようが、彼は注意をしようともしなかった。
(出典:宮本百合子『渋谷家の始祖』)
・幕末水戸藩の過激な尊王攘夷思想を鼓舞した人物、藤田東湖の著作が輪読されたのは、自分たちの遠からぬ死をあらかじめ自分自身に納得させておくためにほかならなかった。
(出典:中村彰彦『明治忠臣蔵』)
・セミナーとひとくちに言っても実際は多種多様で、ルイス教授主宰のもののように自分の研究結果を発表することが主となるものの他に、他人の論文や本を紹介するもの、輪読するもの、およびそれらの混合型とでも言うべきタイプのものがあった。
(出典:藤原正彦『若き数学者のアメリカ』)