綴る
「日記を綴る」などのように使う「綴る」という言葉。
「綴る」は、訓読みで「つづる」と読みます。
「綴る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「綴る」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
綴るの意味
「綴る」には次の二つの意味があります。
1言葉をつらねて詩歌や文章を作る。
2仮名やアルファベットなどを並べて単語を書き表す。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
綴るの意味①「言葉をつらねて詩歌や文章を作る。」
「綴る」の一つ目の意味は「言葉をつらねて詩歌や文章を作る。」です。
作文や詩作、または音楽の旋律など自ら言葉や記号を選び、文学や音楽の作品を作り上げていくことです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・そして喘ぎ喘ぎいう文句の意味を理解に綴ってみるとこういうのだった。
(出典:岡本かの子『食魔』)
・本人がそのとき、その場で、自ら綴ったものだけに資料的な価値は高い。
(出典:保阪正康『東條英機と天皇の時代(下) 日米開戦から東京裁判まで』)
・彼は涙と涙の間をぼつぼつ綴る三千代のこの一語を聞くに堪えなかった。
(出典:夏目漱石『それから』)
・期待に背かぬよう、この先の物語をしっかり綴ってゆこうと思ってます。
(出典:橋本紡『半分の月がのぼる空2』)
・神秘的な話になりがちな前半部分を淡淡と綴ったのはそのためだろう。
(出典:京極夏彦『狂骨の夢』)
綴るの意味②「仮名やアルファベットなどを並べて単語を書き表す。」
「綴る」の二つ目の意味は「仮名やアルファベットなどを並べて単語を書き表す。」です。
ある言語を翻訳などする、または翻訳される場合などの、使用言語にて単語を連ねていく方法のことです。単語の文字の並べ方という意味合いもあります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・世界各国の言葉で綴られた作品を、いつたい誰が読み、誰が審査するか?
(出典:岸田国士『文学オリンピツク』)
・当時人々は散文を綴るには、ラテン語をもってするのが普通であった。
(出典:ボッカッチョ/柏熊達生訳『デカメロン(中)』)
・その紋様は俺の知らぬ、何らかの文字で綴られた言葉のようだった。
(出典:ベニー松山『風よ。龍に届いているか(下)』)
・「徳島の郡司っていう人」 という日花里の文字が確かに綴られている。
(出典:林真理子『ロストワールド』)
・この前後によく読めないが荘姓の名前が連綿と書き綴られている。
(出典:鳥飼否宇『中空』)