東風
「東風が吹く」などのように使う「東風」という言葉。
「東風」は、「ひがしかぜ」または「こち」と読みます。
「東風」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「東風」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
東風の意味
「東風」には次の意味があります。
・東の方から吹いて来る風。特に、春に吹く東の風をいう。ひがしかぜ。こちかぜ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
漢字の通り「東から吹く風」を意味しますが、特に「春の風」を意味することも多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・朝出発するときには、冷たい東風が頬をなでて過ぎた。
(出典:ヘディン/岩村忍訳『さまよえる湖』)
・東風が吹くと人にも獣にもいいことがない、というイギリスの諺がある。
(出典:ディケンズ/青木雄造,小池滋訳『荒涼館』)
・きっとこの東風はこのまま吹きつづいてくれるだろうぜ。
(出典:ヴェルヌ/大友徳明訳『地の果ての燈台』)
・いつまでも西風ばかりは吹かないのだからいつかは東風になろう。
(出典:海音寺潮五郎『史談と史論(下)』)
・この日にかけて祭すれば、三日三夜のうちに東風が吹き起りましょう。
(出典:吉川英治『三国志』)
・東風が厚い雲をつれてくると、太陽が昇らなかったとさえ思えてくる。
(出典:荻原規子『西の善き魔女外伝1 金の糸紡げば』)
・この年はひときわ東風がきびしかったし、もともと丈夫な子でもなかったのだ。
(出典:クリスティ/深町眞理子訳『クリスティの六個の脳髄』)
・東風はいま帰っていって、また百年たつと、もどってきますからね。
(出典:アンデルセン/山室静訳『アンデルセン童話集1』)