二枚目
「二枚目俳優」などのように使う「二枚目」という言葉。
「二枚目」は「二枚」を音読み、「目」を訓読みで「にまいめ」と読みます。
「二枚目」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「二枚目」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
二枚目の意味
「二枚目」には次の意味があります。
・歌舞伎(かぶき)の役柄の一種。多くの女性に好かれるような美男子の役、またはこれを得意とする俳優のこと。江戸中期の京坂で、顔見世(かおみせ)興行の看板のうち、立役(たちやく)の俳優名を並べた六枚看板のなかで、この種の役柄の俳優の名が二枚目に置かれた慣例によるという。「和事(わごと)師」の俗称ともされ、顔をおしろいで美しく化粧するので「白塗(しろぬ)り」ともいうが、現代では広く芸能用語になり、日常語でも美男子の意味に使われている。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
「歌舞伎の美男子役」という意味から転じて、歌舞伎以外の「美しい男性」も意味するようになりました。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・人格的に立派で二枚目だなんて、そんなことが許されていいのだろうか?
(出典:赤川次郎『死体は眠らない』)
・二枚目でなくても、もっと男らしい顔だったら、と思ったものだった。
(出典:西村京太郎『イレブン殺人事件』)
・色白で黒眼がちの二枚目は、女のように身をくねらせながら折口に訴えた。
(出典:筒井康隆『48億の妄想』)
・二枚目で性格が悪そうな男とはこれ以上関わりたくない。
(出典:今野緒雪『お釈迦様もみてる 1 紅か白か』)
・おれは二十歳年をとりすぎているし、顔もどえらい二枚目じゃない。
(出典:石田衣良『池袋ウエストゲートパーク 第5巻 反自殺クラブ』)
・髪が薄いうえに鼻から口にかけての皺が深く、年齢不詳だが二枚目といえた。
(出典:飛鳥部勝則『バベル消滅』)
・あの二枚目面の奥に、どんな本性が隠れているかわかったもんじゃない。
(出典:千葉暁『アルス・マグナ2 大いなる秘法 光と闇の双生児』)
・こちらから声かければ、すぐうぬぼれて、二枚目気取り、あちらからの誘い断れば、大袈裟にふられたと泣きわめく。
(出典:野坂昭如『四畳半色の濡衣』)