虎落笛
「虎落笛が聞こえるなどのように使う「虎落笛」という言葉。
「虎落笛」は、熟字訓で「もがりぶえ」と読みます。
「虎落笛」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「虎落笛」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
虎落笛の意味
「虎落笛」には次の意味があります。
・冬の激しい風が柵(さく)や竹垣に吹きあたって発する、笛のような音。(出典:精選版 日本国語大辞典)
言い換えると、冬の寒風が柵や竹垣にあたって鳴る、ぴゅうぴゅうやヒューヒューといった音のことです。
「虎落」というのは、竹を筋違いに組み合わせ、縄で結び固めた柵や垣根のことです。
冬の季語として俳句や短歌に使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・冬の激しい風が、柵や竹垣に吹きつけて発する笛のような音を、虎落笛という。
(出典:池宮彰一郎『四十七人の刺客(下)』)
・微かな虎落笛が、その部屋にまで届き始めたらしかった。
(出典:竹本健治『匣の中の失楽』)
・ここでは按摩が哀れ虎落笛のような笛を吹き、蝋燭の流れ買いが集めた屑蝋を黙々と蝋燭型に溶かしこんでいる。
(出典:麻生芳伸編『落語特選(下)』)
・聞こえ始めるかすかな虎落笛。
(出典:海堂尊『チーム・バチスタの栄光(下)』)
・夜になって風が強くなり、虎落笛が鳴り始めた。
・虎落笛を聞くと、本格的な冬が来たなぁと感じる。
・寝ていると、外からかすかな虎落笛が聞こえてきた。
・竹垣で囲われた家は、冬になると虎落笛が鳴る。