精錬
「鉄を精錬する」などのように使う「精錬」という言葉。
「精錬」は、音読みで「せいれん」と読みます。
「精錬」とは、どのような意味の言葉でしょうか？
この記事では「精錬」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
精錬の意味
「精錬」には次の二つの意味があります。
1 よく練習すること。また、よく鍛えること。
2 粗金属から不純物を除いて質のよいものにすること。（出典：デジタル大辞泉）
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
精錬の意味①「よく練習すること。また、よく鍛えること。」
「精錬」の一つ目の意味は「よく練習すること。また、よく鍛えること。」です。
この言葉は肉体だけではなく心を強くするという意味でも使われます。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・しかもそれほど精錬されない社会においても人気があるという利点があります。
（出典：オースティン／伊吹知勢訳『高慢と偏見(上)』）
・自分の認識を、概念ベースから言語ベースにまで精錬しないと伝達はできない。
（出典：米澤穂信『古典部シリーズ1 氷菓』）
・まだ感じられない死苦、この遠い死苦は、彼らの快感を精錬したのである。
（出典：村松剛『三島由紀夫の世界』）
・ミンコーフスキーの世界の如きはその最も精錬された成果であると云うべきである。
（出典：戸坂潤『物理的空間の成立まで』）
・精錬された権力分析を適用できる理想的なターゲットは近代社会の権力現象でしかない。
（出典：内田隆三『社会学を学ぶ』）
精錬の意味②「粗金属から不純物を除いて質のよいものにすること。」
「精錬」の二つ目の意味は「粗金属から不純物を除いて質のよいものにすること。」です。
不純物を多く含む金属から必要とする純度の高い金属を取り出す過程のことをいい、鉱石から金属を取り出す工程の製錬とは区別されています。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・あれがなくては鉄の精錬に成功したとて旧来の方法でしか大砲は作れませぬ。
（出典：高橋克彦『火城』）
・地球上にはもはや精錬にあたいする鉄鉱石が存在しないことは確実であった。
（出典：ジェイムズ・ブリッシュ『宇宙都市シリーズ(全4巻) 2 星屑のかなたへ』）
・その原因が銀精錬法の流出にあることを、はっきりと認識していた。
（出典：村井章介『海から見た戦国日本 ―列島史から世界史へ』）
・十三年からは地元に精錬所を設け、年間一トン半に精錬量を上げた。
（出典：豊田穣『飛行機王・中島知久平』）
・精錬方より藩に対して蒸気船および蒸気車の雛形製造願いが正式に提出された。
（出典：高橋克彦『火城』）
