薄情
「薄情な人間」などのように使う「薄情」という言葉。
「薄情」は、音読みで「はくじょう」と読みます。
「薄情」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「薄情」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
薄情の意味
「薄情」には次の意味があります。
・人情に薄いこと。思いやりの気持ちがないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
「薄情」をわかりやすく言うと「人を大切にしようとする気持ちが欠けていること」です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・あの薄情男めは何一つ私の世話をしようともしなかつたのでございますよ。
(出典:島村抱月『人形の家』)
・間違いをした事がないという自信を持っている奴に限って薄情だという事さ。
(出典:太宰治『春の枯葉』)
・それには、彼の薄情に対する、かなり手きびしい非難が述べられていた。
(出典:横溝正史『山名耕作の不思議な生活』)
・こういう点は男子学生の方が薄情で、女子学生の方が妹らしくてよろしい。
(出典:遠藤周作『ぐうたら愛情学』)
・神様は本当にいるのだなと思った覚えがあるが、今夜の神様は薄情である。
(出典:向田邦子『隣りの女』)
類語
・冷淡(れいたん)
意味:思いやりがないこと。同情や親切心を示さないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・冷血(れいけつ)
意味:人間らしいあたたかい心をもっていないこと。人情味のないこと。(出典:大辞林 第三版)
・冷酷(れいこく)
意味:思いやりがなくむごいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・不人情(ふにんじょう)
意味:人情がないこと。思いやりがないこと。また、そのさま。(出典:大辞林 第三版)
・無慈悲(むじひ)
意味:思いやりの心がないこと。あわれみの心がないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)