光風霽月
「光風霽月の世界」などのように使う「光風霽月」という言葉。
「光風霽月」は、音読みで「こうせいふうげつ」と読みます。
「光風霽月」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「光風霽月」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
光風霽月の意味
「光風霽月」には次の意味があります。
・ さわやかな風と晴れわたった月。中国、宋の黄庭堅が周敦頤の人柄を評した語で、性質が高明でわだかまりがなくさっぱりした様子の形容に用いる。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「光風霽月」を分かりやすくいうと、「心に不満や不信感がなく、さっぱりと澄み切っていること」のたとえです。世の中がよく治まっていることを表す場合にも使われることがあります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・この句ほど高遠雄大にして光風霽月の如きものが滅多にありましょうか。
(出典:村井弦斎『食道楽』)
・その風と月が、外衣をはずせば、光風霽月の清夜という意味になる。
(出典:柴田錬三郎『(柴錬立川文庫4) 忍者からす』)
・そうかといって、情から離れ去った光風霽月の身の上でもない。
(出典:岡本かの子『宝永噴火』)
・光風霽月底のものではない何ものか、何クソ、といふ何ものかがあつたと思ふ。
(出典:唐木順三『千利休』)
・何時も光風霽月でその楽しみいうべからずです。
(出典:牧野富太郎『牧野富太郎自叙伝』)
・『国体論』の未練がさっぱりと切れた為、近来にない光風霽月の心地です。
(出典:豊田穣『革命家・北一輝』)
・光風霽月、かんらかんらと朗らかにうち笑つて別れてしまう。
(出典:伊丹万作『余裕のことなど』)
・光風霽月と申しますか、水従方円器と申しますか、明鏡止水の心境です。
(出典:坂口安吾『露の答』)