形骸化
「形骸化した役職」などのように使う「形骸化」という言葉。
「形骸化」は、音読みで「けいがいか」と読みます。
「形骸化」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「形骸化」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
形骸化の意味
「形骸化」には次の意味があります。
・実質的な意味を失い、形式だけが残ること。(出典:デジタル大辞泉)
わかりやすく言えば「中身のない、形だけのものになること」という意味です。
「形骸」はもともと「建物の骨組み」を意味する言葉で、転じて「内容のない形だけのもの」という意味で使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・百五十年もつづけば、やはり形骸化はまぬがれぬ。
(出典:樋口有介『船宿たき川捕物暦』)
・もとは厳格な制度だったかもしれないが、いまでは、しだいに形骸化している。
(出典:山本兼一『狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎』)
・すでに遠い昔に確立されてしまった価値を絶対的なものとして教えるだけでは、学問は形骸化する。
(出典:茂木健一郎『思考の補助線』)
・取締役会の形骸化がいわれるようになって久しい。
(出典:高杉良『呪縛 金融腐蝕列島II(上)』)
・たえず形骸化という風化作用にさらされつづけてきた。
(出典:山口昌男『道化的世界』)
類語
・有名無実(ゆうめいむじつ)
意味:名ばかりで、それに伴う実質のないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・空洞化(くうどうか)
意味:形式だけが残り、実質が失われること。(出典:大辞林 第三版)
・名ばかり(なばかり)
意味:名前だけで、実質が伴わないこと。形ばかり。 (出典:大辞林 第三版)
・形許り(かたちばかり)
意味:内容はともかく、体裁だけは整っていること。しるしばかり。かたばかり。(出典:デジタル大辞泉)
・風化(ふうか)
意味:時の経過に従って弱まったり衰えたりしていくこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)