あしらい
「物のあしらい方」などのように使う「あしらい」という言葉。
「あしらい」は、漢字で「遇い」と書きます。
「あしらい」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「あしらい」のよく使用される二種類の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
あしらいの意味
「あしらい」には次の二つの意味があります。
1相手を待遇すること。
2景物、料理、装飾などでの取り合わせ。配合。また、その物。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
あしらいの意味①「相手を待遇すること。」
「あしらい」の一つ目の意味は「相手を待遇すること。」です。
言い換えると、自分が対応する何人もの相手に沿った、それぞれの対応の仕方のことです。例えばAさんには友達のように、Bさんにはゆっくり丁寧に、といったような特別な対応をすることです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・あのなかの多くは、君のあのひとに対するあしらいをまねることだろう。
(出典:オースティン/ハーディング祥子訳『エマ(下)』)
・きみなら幸運を期待できそうだし、彼のあしらい方も心得ているだろう。
(出典:ドイル/永井淳訳『失われた世界』)
・一つ年上にちがいないが、姉が弟に対するようなあしらいをしている。
(出典:山田風太郎『幻燈辻馬車(下)』)
・特攻へ出るべくして出なかったため、こんなあしらいを受けるのだろうか。
(出典:城山三郎『忘れ得ぬ翼』)
類語
・もてなす
意味:心をこめて客の世話をする。饗応する。馳走 (ちそう) する。(出典:デジタル大辞泉)
・待遇(たいぐう)
意味:ある地位に準じた取り扱いを受けること。(出典:デジタル大辞泉)
・応対(おうたい)
意味:相手になって受けこたえすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・接待(せったい)
意味:客をもてなすこと。もてなし。(出典:デジタル大辞泉)
あしらいの意味②「景物、料理、装飾などでの取り合わせ。配合。また、その物。」
「あしらい」の二つ目の意味は「景物、料理、装飾などでの取り合わせ。配合。また、その物。」です。
言い換えると、今ある何かをより良く見せるために、別の材料や似合うと思われる品をつけ加えることです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そのさし絵のもっとも魅力のあるのは、背景の変化あるあしらいでしょう。
(出典:C・S・ルイス/瀬田貞二訳『(ナルニア国物語1) ライオンと魔女』)
・それぞれが持つ大剣と盾つきの長槍も同じ色のあしらいだ。
(出典:川上稔『AHEADシリーズ 2 終わりのクロニクル1〈下〉』)
・よく風呂敷に見られるもので、松竹梅その他の模様を大柄にあしらいます。
(出典:柳宗悦『手仕事の日本』)
・いかにも色の対照に気を配って作ったものらしく、一枚一枚の葉のあしらい方にも苦心のあとが見られた。
(出典:ストウ/山屋三郎,大久保博訳『アンクル・トムズ・ケビン(下)』)
類語
・添加(てんか)
意味:そえ加えること。また、そい加わること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・飾り(かざり)
意味:表面、外見をよく見せようと取り繕うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・装飾(そうしょく)
意味:飾ること。美しく装うこと。また、その装い・飾り。(出典:デジタル大辞泉)
・加味(かみ)
意味:あるものに、別の要素を付け加えること。(出典:デジタル大辞泉)